ニュースリリース-　2002年12月24日

ベトナムのＣＫＤ部品関税引き上げについて

　日本自動車工業会(JAMA)、米国自動車貿易政策協議会(ATPC)、欧州自動車工業会(ACEA)および韓国自動車工業協会(KAMA)は、12月19日付４団体連名で、ファン・バン・カイ ベトナム首相宛に、先に発令したCKD用部品の輸入に係る関税の引き上げ撤回を求める書簡を送った。

書簡の中で４団体は、12月4日付で発令された2003年1月1日からのCKD部品関税引き上げ措置に対して、深刻な懸念を表明するとともに、「CKD部品の関税の引き上げは、自動車業界との協議も無くかつ突然であり、ベトナム自動車産業の育成を阻害する。一部メーカーはベトナム事業の閉鎖を余儀なくされ、その結果自動車価格の引き上げによる販売と生産の急激な減退が起こる。さらに今後、外国のベトナム投資を妨げることとなる」とし、CKD部品関税引き上げ撤回を求めている。（別添の書簡参照）

以 上

＜ご参考＞

1. ベトナム財務省は12月4日付で、2003年1月1日から乗用車・商用車のCKD部品関税率引き上げを発令。
   【Decision 146/2002/QD/BTC】
   • 発令日　　：２００２年１２月４日
   • 発効予定日：２００３年１月１日
   • 内容　　　：
     1. CKD関税率の変更引き上げ
     2. 乗用車のCKDカテゴリー及び関税率を、現在の３段階から2004年に一本化
        

        	カテゴリー(*1)	現状	２００３年（*2）	２００４年
        乗用車	CKD 1	４０％	完成車税率の６０％	完成車税率の７０％
        	CKD 2	２０％	完成車税率の４０％
        	IKD	５％	完成車税率の１０％
        商用車	CKD	1 １５％	完成車税率の４０％	完成車税率の５０％
        	CKD	2 ７％	完成車税率の２０％	完成車税率の３０％
        	IKD	３％	完成車税率の　５％	完成車税率の１０％

        
        ※１）CKD-1,CKD-2,IKDの分類は不明確であり、現地組立のレベル(溶接工程の要否、現地部品調達など)によって区別。現在日系メーカーのほとんどはCKD-2。
        ※２)現在の完成車税率は１００％
2. ベトナム自動車工業会（VAMA）の対応
   今回の決定によりベトナム製完成車の販売価格が引き上げられるだけでなく、VAMAメンバー社の現地オペレーションに重大な影響を与えるとして、その撤回を要求する陳情書を11社の署名入りでベトナム政府に提出。
   
3. ベトナムにおける現地生産会社
   1). Toyota Motor Vietnam（トヨタ）
   2). Isuzu Vietnam（いすゞ）
   3). Vietnam Motors（ニチメンが資本参加。マツダ、BMW、起亜などを生産）
   4). Mekong Corp（欧州系、イベコ、フィアットなどを生産）
   5). Vietindo Daihatsu Automotive（ダイハツ）
   6). Hino Motors Vietnam（日野）
   7). Vina Star Motors（三菱・プロトン）
   8). Vietnam Daewoo Motor（韓国・大宇）
   9). Mercedes Benz Vietnam（欧州・ベンツ）
   10).Ford Vietnam（フォード）
   11).Vietnam Suzuki Corp.（スズキ）