JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2009年04月08日

2008年度乗用車市場動向調査について

社団法人日本自動車工業会(会長:青木 哲)は、2008年度に実施した乗用車市場動向調査の結果をまとめた。

本調査は、近年の若者のクルマ離れが指摘されていることを背景に、今後「若者とクルマの関係はどう変わっていくのか」をテーマとし、数年内に社会人となりクルマ市場へ本格的に参入し始める大学生を「エントリー世代」と捉え、分析を行なった。

エントリー世代の意識、行動特性、クルマの捉え方を把握するため、以下の調査課題を設定した。

[1]時代環境と生活に関する価値観
[2]クルマに関する価値観
[3]クルマの購入における阻害要因とニーズ

調査結果の主な特徴は、以下の通りである。

  • 将来の社会・経済に対して悲観的な見方をする傾向が強く、ゆとり教育により他者との競争を意識する機会が少ないまま育ったことが窺え、家の中で遊ぶ機会が多かった傾向がみられる。
  • 努力するより無理しない生き方や仕事スタイルを志向する傾向が強く、お金を使うことに消極的であり、トレンドや他人の持ち物に興味を持つ人が減っている。行動面ではスポーツ・レジャーなど身体を動かすことや、休日に外出する機会が減少している。
  • 自分専用のクルマを持つ人が減り、家族と乗る機会が増えている。クルマの用途は、買い物が増え、余暇・通学が減少している。
  • クルマへの関心・購入意向は、以前と変わらずあるものの、強い気持ちを持つ人は減っている。購入時期については、慎重な姿勢がみられる。
  • 幼小時の乗車体験や想い出が、その後のクルマに対する関心やボディタイプの好みに影響する。
  • 現在好きなボディタイプはコンパクトが最上位で、セダンやスポーツカーにも、ポジティブなイメージを持っている。
  • 多くのモノに囲まれ、興味・関心のある製品・サービスの幅が広がることにより、クルマへの関心が相対的に低下している。 
  • クルマのイメージは、生活を便利に快適にする機能的ベネフィット(効用)が大きく、顕示性や所有満足などの心理的ベネフィットは小さくなる傾向がみられた。
  • クルマの購入に対する強い気持ちが低下する原因として、「クルマに感じるベネフィットの薄れ」、「地球環境や社会に対する負担意識の高まり」、「コストや労力などの障害の高まり」がある。
  • クルマに求める効用は、「情報化」「自動化」「環境性能向上」などベネフィットの高度化である。
  • クルマの利用環境を改善するためには、自動車関連諸税の軽減、免許取得手続きの軽減、交通インフラの高度化などが効果的と思われる。

ご参考:2008年度乗用車市場動向調査の概要

以 上