JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2006年04月07日

平成17年度 軽自動車の使用実態調査 概要

< 調査設計概要 >

調査対象 自家用軽四輪自動車を保有する世帯及び事業所
調査地域 全国(含む沖縄)
回収数 3,002サンプル
調査実施期間 平成17年5月中旬〜6月中旬

< 調査結果概要 >

1.軽自動車使用実態

〔 乗用車(ボンバン含む)〕

  • 女性ユーザーが軽乗用車全体の3分の2と高い比率で推移。また、高齢層ユーザーが年々増えており05年度では60歳以上のユーザーが2割を超え、平均年齢は46.7歳。
  • 使用期間は長期化傾向がみられ、平均は7.3年に。軽ユーザーの8割近くが他の車との併有で、普通・小型車との併有が中心。
  • 主な用途として、「買物」(37%)や「通勤・通学」(35%)など日常の足として使われることが多く、「ほとんど毎日使用する」割合が71%と使用頻度も高い。

〔 商用車 〕

  • 軽キャブワゴン・キャブバンの主用途は、商用用途と乗用用途がほぼ同率。仕事や商売での使い方では「一般家庭などへの配達」(35%)や「工場・現場まわり」(28%)が多い。
  • 軽トラックの約5割が農用用途を主用途として使われている。仕事や商売での使い方では「田畑への往復や運搬」が61%と最も多い。

2.交通の不便な地方の足としての軽自動車

  • 全国の自治体を人口規模別で分類した場合、「10万人未満の市及び郡部」(人口構成比38%)で57%の軽自動車が保有されている。
  • 「10万人未満の市及び郡部」では、公共交通機関の利便性について「非常に不便」(21%)、「やや不便」(25%)と5割近くが不便を感じている。
  • 「10万人未満の市及び郡部」では、車で通勤や通学をしている人が公共交通機関を利用した場合、「行けない」(28%)、「行きにくい」(24%)と5割強の人が不都合を感じている。また、車がなくなると4人に1人が日常の買物に行けなくなる。
  • 「10万人未満の市及び郡部」では、それ以上の人口規模の都市に比べ軽自動車でなければ通れないような狭い道が多くなる。

3.女性の足としての軽自動車

  • 女性の軽乗用車ユーザーは就業率が高い。特に50歳代以上の場合、全体でみた就業率(50代63%、60歳以上19%)に比べ軽ユーザーの就業率(50代74%、60歳以上38%)は高くなっており、年齢の高い女性が働くことを軽自動車が支えている。
  • 女性の軽乗用車ユーザーの主用途は「買物」(45%)が最も多いが、未婚女性の場合「通勤・通学」(55%)が多い。
  • 使用頻度は「ほとんど毎日使用する」が男性の67%に比べて女性は73%と高く、女性は軽自動車を日常的に使用していることがわかる。ただし、月間平均走行距離は男性の477kmに比べて女性は414kmと短い。
  • 大きい車に替えた場合、「生活費が圧迫される」(69%)という経済面での不都合を挙げる割合が最も高い。
  • 一方で、「使いみちの関係で大きい車は無駄が多い」(33%)、「大きい車は運転できない」(33%)、「狭い道がある等道路条件で行けない場所がでる」(32%)といったサイズ面での不都合を挙げる女性も多い。

4.高齢者の足としての軽自動車

  • 高齢化が進むとともに65歳以上の高齢者がいる世帯も急増。その中でも、「一人暮らし」または「夫婦のみ」の小規模世帯の比率が高まっている。
  • 軽乗用車を持つ高齢者世帯の年収(中央値)は399万円と低い。併有車を持たない高齢者世帯の年収(中央値)は297万円とさらに低くなる。
  • 世帯での軽乗用車の単数保有率をみると、全体(22%)に対し、高齢者世帯(42%)と小規模世帯が増加傾向にある高齢者は軽乗用車のみを保有する比率が高い。
  • 高齢者の日常生活での用途では、「日常の買物」(80%)、「病院への通院・送迎」(58%)といった日常生活の範囲内を移動する足として使うことが非常に多い。
  • 大きい車に替えた場合、「生活費が圧迫される」(60%)とともに、「使いみちの関係で大きい車は無駄が多い」(47%)といった不都合を挙げる高齢者が多い。
  • 次回も軽自動車を購入する意向は全体の88%に対し、高齢者は97%と高い。