JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2002年04月18日

『使用済自動車の再資源化等に関する法律』案について

「使用済自動車の再資源化等に関する法律」案(以下、自動車リサイクル法案)が今国会に上程されることになったが、これまで自動車リサイクルの制度化について当会としては、産業構造審議会・中央環境審議会に委員を出すなど積極的に議論に参加してきたところである。
自動車は、重量比率で75〜80%と、他の耐久消費財に比較して高いレベルの再資源化を維持してきているが、循環型社会に適合したより高度な再資源化の実現が緊急課題であること等を勘案すると、今回の法制度化は、多数の関係者の主体的役割を明確するなど、誠に時宜を得たものであると考える。
新たな制度下、自動車メーカーとしては、自動車リサイクルシステムの構築・運用等、総合的取組において中心的な役割を果たす所存であり、人的、資金的経営リソーセスを投入し、社会コストの最小化に向け、次のような取り組みを積極的に進める。

  1. リサイクルに配慮したクルマづくりの推進

    製品の開発・製造段階におけるリサイクル・適正処理の容易性向上に向け、一層の取組を行う。

  2. 総合的リサイクルシステム構築の推進

    本年秋の完全施行に向け取組を進めているフロン類回収破壊法対応のシステム構築に引き続き、自動車リサイクル法案に基づき必要となる、特定再資源化等物品の引取・処理体制を整備するとともに、情報、費用の管理ならびに電子マニフェストを導入した物流管理に必要となる総合的システム構築に取り組む。

  3. リサイクル法の円滑な実施体制の整備

    ASR を始め、フロン類、エアバッグ等の特定再資源化物品のリサイクル実施体制の整備に取り組む。中でも、使用済自動車リサイクル最大のネックとなっているASR処理の高度化は極めて重要な役割であり、関係事業者との密接な連携を踏まえて、新たな体制の確立に取り組む。

  4. 路上放棄車処理協力の取組の継続

    自動車由来の破砕残渣(シュレッダーダスト)
    現行の「路上放棄車処理協力会」事業を今後も継続実施し、路上放棄車の解消ならびに適正処理徹底に向けた地方自治体の取り組みに協力する。

  5. 二輪車、商用車の架装物に関する自主的取組の実施

    二輪車のリサイクル、商用車の架装物のリサイクルについて、実効的な自主プログラムを策定し、取り組む。

これら重要な役割と責任を果たすため、メーカー各社は不断の努力を積み重ねてゆく所存であるが、自動車のリサイクルに携わる全ての関係事業者、ユーザー、国及び地方自治体関係者の方々への情報提供を適宜行い、更なるご理解、ご支援をお願いしてまいりたい。

 

以 上