JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2004年04月08日

平成15年度乗用車および二輪車市場動向調査について

(社)日本自動車工業会は、平成15年度に実施した乗用車市場動向調査および二輪車市場動向調査の結果をまとめた。

これは、乗用車については需要構造を明らかにし需要の質的変化の見通しに役立てるため、全国の世帯に対して隔年毎にアンケート調査を行っているものであり、二輪車については市場の変化を捉えるため隔年毎に新規購入ユーザーを対象にアンケート調査を行っているものである。

今回の乗用車市場動向調査では、

  1. 新車の平均購入価格は前回(平成13年度)215.2万円→今回200.1万円と低下しており、ユーザーの経済性志向が進行している。
  2. 前保有車(新車)の保有期間は、前回6.2年→今回6.5年と増加している。
  3. 今後の買い替え理由としては、「自動車税等が軽減されたら」「非常に低燃費の車が発売されたら」「価格が非常に安い車が発売されたら」といった、負担額/価格への影響がより強いものが目立つ。
  4. カーナビ、ETCの認知度はそれぞれ96%、94%と高く、浸透している。

等の特徴が見られた。

また二輪車市場動向調査では、

  1. 購入重視点は、「価格の安さ」が増加(前回(平成13年度)26%→今回40%)している。
  2. 軽二輪クラススクーターの20代以下のユーザーでは、夢中になっているレクリエーションとして「カスタム・ドレスアップ」が最も多い(49%)。
  3. 高速道路二人乗り規制解除時の二輪車利用への影響を見ると、126cc以上のユーザーでは「二人乗りする機会が増える(41%)」、「行動範囲が広がる(38%)」、「二輪車の用途が広がる(37%)」等が多い。
  4. 二輪車ETC導入時には、126cc以上のユーザーの58%が利用したい(とても利用したい+まあ利用したい)としている。

等の特徴が見られた。

報告書は一般向けに配布する。

 

ご参考:平成15年度乗用車および二輪車市場動向調査の概要

■市場調査活動について

<乗用車>
調査部会・市場調査乗用車分科会では、乗用車の需要構造を明らかにし、需要の質的変化の見通しに役立てるため、全国の世帯に対して、隔年毎に乗用車のアンケート調査を行っている。また、アンケート調査実施年度の次年度は、テーマを決め、アンケート調査結果に基づく分析調査を行っている。今年度は、アンケート調査の年に当たる。

<二輪車>
調査部会・二輪車分科会では、二輪車市場の変化を捉えるため、隔年毎にアンケート調査を行っている。

■平成15年度調査設計の概要

 

乗用車

二輪車

調査地域

全国

全国

調査対象

単身世帯を含む一般世帯

新車購入ユーザー

有効回収数

5,298サンプル
(回収率:69.7%)
5,436サンプル
(回収率:52.2%)

調査実施期間

平成15年8月20日〜9月4日

平成15年8月1日〜8月31日

■今回調査の特徴

平成15年度乗用車市場動向調査

  • 最近の市場動向の変化(前回調査結果(平成13年度)→今回調査結果)
    • 全国乗用車世帯保有率は微増。(79.0%→79.2%)
    • 世帯保有車は、RV系(35.9%→37.0%)や軽乗用車(19.3%→22.7%)が増加。
    • 複数保有世帯では、「1台はRV系」が増加(56.5%→59.7%)、「1台は軽クラス」が増加(49.7%→53.2%)、「RVと軽クラス」が増加(24.4%→27.7%)。
    • 前保有車の保有期間は徐々に長期化している。(平均6.5年)
    • 購入車の新車中古車比率では、中古車が若干減少(28%→27%)。
    • 平均購入価格は低下したままの水準を継続しており、ユーザーの経済性志向が鮮明化している。(平均215.2万円→平均200.1万円)
    • 平成7年および平成15年乗用車ユーザークラスター分析(平成7年と15年の「購入重視点」データから因子分析を実行し、各クラスター(グループ)に分類して分析)の結果、スタイル高級性志向派が21%、室内スペース+レジャー用途志向派が14%、安全性+経済性志向派が28%となった。
    • 最近購入車は、乗用車セダン(平成7年度67%→36%)減少、軽自動車(平成7年度12%→20%)増加、ワゴン・RV(平成7年度22%→43%)増加。

  • クルマ市場をめぐる環境の変化
    • ユーザーの安全性志向層の変化では、安全最重視層+安全重視層が49%→52%となり一段と高まっている。
    • 安全意識と装備品の認知度は高い。
    • カーナビの認知度は96%だが、利用率は29%と低い。
    • ETC利用に対する阻害要因は、「機器の価格が高い」「有料道路はあまり走行しない」「ETCを利用しても高速道路の渋滞緩和がされないため」が多い。
    • テレマティックス諸機能への関心度をみると、「GPSの利用でトラブル時に救援要請できる」→46%、「ニュース・株価・天気情報」→35%、「タウン・グルメ情報」→31%、が高い。

  • 保有に関する意識変化
    • 前保有車(新車)の保有期間は、6.2年→6.5年と長期化。
    • 今後の買い替え理由は、「自動車税等が軽減されたら」「非常に低燃費の車が発売されたら」「価格が非常に安い車が発売されたら」といった負担額や価格への影響が強いものが目立つ。
    • 車を持っていない人(非保有者)は、男性20代以下が増加(平成7年度15%→18%)、男性40代が減少(平成7年度8%→5%)。
    • 車を手放した理由は、「経済的理由」が増加(平成7年度27%→38%)、「保管場所がなくなった」が減少(平成7年度18%→15%)。
    • 非保有者が考える車保有の利点は、「いつでも気楽に外出できる」(平成7年度38%→43%)、「重いものでも楽に運べる」(平成7年度29%→39%)、「行動半径を広げられる」が増加(平成7年度38%→39%)。
    • 若者層(20代)ユーザー分析では購入価格が増加(平成7年度197.8万円→210.4万円)、購入車についてはステーションワゴン(平成7年度9%→35%)、軽乗用車・軽ボンネットワゴンが増加(平成7年度21%→27%)。

  • 車購入に関する親子の関与状況とその要因
    • 車を購入する際の親子間の関与(全面的に意見あり+一部意見あり)は、「親から子へ」が42%、「子から親へ」が33%となっている。
    • 車購入の際の経済支援状況は、「親の全面的支援があって、車購入に親子関与あり」が90%、「親子でお互いに車の貸し借りがあり、車購入に親子関与あり」が85%と高い。
    • 子供が親と同乗を考える用途は、「買い物/近所(55%)」「買い物/大型SC(50%)」「通院送迎や付添、介護(43%)」であり、高齢化社会に進展に伴い、こうした用途に対するニーズがますます増えていくことが予想される。

平成15年度二輪車市場動向調査

●新車購入ユーザー調査(前回調査結果(平成13年度)→今回調査結果)

  • 二輪車ユーザーは、全体で20代と30代が増加(36%→39%)、50cc以下でも20代と30代が増加(31%→36%)。
  • 保有免許パターンは、「四輪免許保有」が増加(69%→80%)、「二輪車免許のみ保有」が減少(31%→21%)。
  • 今後も二輪車に乗りたいと回答したユーザーは増加(86%→92%)。
  • 平均使用年数は短縮。(5.9年→5.5年)
  • 一時中断・再購入は増加。(10%→14%)
  • 購入車決定重視点は「価格の安さ」が増加。(26%→40%)
  • 新規購入理由は「燃費・維持費が安く済む」が増加。(36%→42%)
  • 二輪車の買い増し理由として「場所の遠近で使い分け」が増加。(33%→37%)

●トピックス調査

  1. 軽二輪クラススクーター調査
    • 国内市場が減少傾向にあるなかで軽二輪(126cc〜250cc)クラスは近年需要を伸ばしており特にスクーターの好調さが顕著である。
    • 従来のスクーターユーザーとは違った「20代以下の若年ユーザー」が需要を牽引している。
    • 「街なかで見かけて」が購入のきっかけとなり、自己のファッションの一部として「カスタム」で個性を演出し、流行を呼んでいる。

  2. 輸入車(逆輸入車、外国車)ユーザー調査
    • 逆輸入車は「走行性能」、外国車は「ステイタス性」を源として、需要は微増ながら拡大傾向にある。国内モデルとは違った位置付けとなっており、特に外国車は40代以上の比率が高い。

  3. 高速道路二人乗り規制の解除
    • 高速道路走行が可能な126cc以上二輪車の現保有ユーザーのうち、63%が規制解除に対して賛同(解除してほしいと非常に思う+解除してほしいとやや思う)している。

  4. 二輪車ETCの導入
    • 高速道路走行が可能な126cc以上二輪車の現保有ユーザーのうち、58%が「二輪車ETCを利用したい(とても利用したい+まあ利用したい)」としている。

  5. 二輪車AT車限定免許制度の導入
    • 大型二輪免許非保有のユーザー(二輪車を現在保有していて、大型二輪免許を持っていない者)は、29%が二輪車AT車限定免許制度の導入時に免許取得意向を持っている。
      一方、大型二輪免許非保有のノンユーザー(過去に二輪車を保有していて、大型二輪免許を持っていない者)は、「導入なら再び乗りたい」「導入なら再運転を検討する」意向が
      16%となっている。

 

以 上