JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2003年04月16日

自動車用ディーゼルエンジンオイルの品質に関するガイドライン「DH-2」「DL-1」の設定について

(社)日本自動車工業会と石油連盟は、ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)を装着した新短期以降の規制に適合した新型ディーゼル車を対象に、エンジンオイルの品質に関するガイドラインとしてトラック、バス用「DH-2」、乗用車クラス用「DL-1」を設定した。

ディーゼルエンジンは内燃機関の中では最も熱効率が高く、燃費がよく、CO2削減に効果の高いエンジンとして期待されている。一方、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)は大気汚染の原因の一つとされ、ディーゼル車排出ガス規制の更なる規制強化(2003年10月から新短期規制、2005年から新長期規制)が予定されている。

自動車業界は、ディーゼル車排出ガス浄化のため、燃料噴射システム、冷却式排出ガス再循環装置(クールドEGR)などのエンジン本体の改善に加えて、DPF、触媒等を用いた後処理システムの開発を進め、本年10月から順次新短期規制値以下にPMを低減したディーゼル車を市場導入することとしている。
これに合わせて、石油業界は、後処理装置に悪影響を及ぼす軽油中の硫黄分を従来の500ppm以下から50ppm以下に低減した低硫黄軽油を本年4月からほぼ全国的に先行供給を開始した。

このような動きの中で、自工会と石連は、ディーゼルエンジン本体の潤滑だけでなく、DPFへの適合性も考慮した新しいディーゼルエンジンオイルの品質について検討を行い、この度ガイドラインを設定した。

ガイドラインでは、日本自動車規格(JASO)「自動車用ディーゼル機関潤滑油‐JASO DH-1(M355)」で要求されているエンジン清浄性、摩耗防止性に加え、DPFの詰まりの原因となる燃焼残渣物(灰分)と、触媒性能を損なう懸念のある成分の低減などを求めている。なお、トラック・バスと乗用車クラスでは、エンジン耐久性、オイル交換距離、省燃費性等に対してエンジンオイルに求められる性能が異なるため、今回あらたに「DH-2」と「DL-1」の2つのカテゴリーを設定した(使い分けについては、各自動車会社の推奨に従う)。

ガイドライン適合オイルの市場導入は、DPFを装着した車両を販売する自動車会社の推奨と、エンジンオイル供給各社が性能確認し販売する自主管理によって行われ、特別な認証システムは策定しない。なお、本ガイドラインに適合するエンジンオイルは本日の発表をもって市場への導入が可能となる。

ガイドラインの詳細は(社)日本自動車工業会(http://www.jama.or.jp)及び石油連盟(http://www.paj.gr.jp)のホームページに掲載する。

また、2005年にはガイドラインを精査した新しい規格を発行し、JASO DH-1と同様の自己認証システムの運用を開始する予定である。

表:DH-2ガイドライン、DL-1ガイドライン

 

以 上