JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2015年05月21日

平成27年度事業計画

 平成27年度は、国内市場では昨年度から続く消費税増税の影響と、今春の軽自動車税増税の影響が懸念され、海外市場については、米国市場の好調の持続、欧州市場の回復基調、新興国市場の需要拡大などに期待が持てる一方、依然として不透明感のある世界経済の下振れリスク、国際競争のさらなる激化などにより、事業環境は必ずしも楽観できる状況ではない。

 当会としては、自動車産業が日本のリーディング産業であるという自負のもと、我が国経済の持続的成長のけん引役を果たし、また日本の未来社会の創造を進めるべく、着実に取組みを行っていく。

 課題は多岐にわたるが、本年度も引き続き以下3点を事業の柱として、環境変化を的確に捉えた取組みを推進し、日本の「ものづくり基盤」の磐石化、夢のある豊かなクルマ社会の実現に向けて邁進していく。

<国内市場の活性化>
 日本の自動車産業の発展には、20年以上にわたって縮小傾向が続く国内の自動車市場を活性化することが不可欠である。
 各社がより価値ある商品をお客様に提供できるよう努力を続けていくとともに、業界としても、引き続きクルマ・バイクの魅力を積極的に発信していく。
 本年10月29日から開催予定の「第44回東京モーターショー2015」では、すべてのお客様に最先端技術との心躍る出会い、感動をお届けできるよう、世界一のテクノロジーショーケースを目指し、準備を進めていく。

 国内市場の活性化に向けては、お客様がクルマ・バイクをお求め易い環境を整備していくことも重要である。特に、平成29年4月には消費税が10%に引き上げられることから、ユーザー全体の負担軽減がなされるよう、自動車税の引下げなど、自動車税制の抜本的な見直しを強く訴えていく。

 二輪車については、昨年、二輪車関係団体や地方自治体と協働でとりまとめた「二輪車産業政策ロードマップ」に掲げた、免許取得容易化や駐車場整備などの諸課題への取組みを積極的に推進し、二輪車の利便性向上を図る。

<事業環境の改善>
 国内生産と雇用の維持に努め、日本のものづくり基盤を守っていくためには、国内の事業環境の改善が不可欠である。
 特に重要となる産業の活性化と国際競争力の維持・強化に向けて、法人税改革の継続、研究開発投資環境の整備や、各国・各地域との自由貿易/経済連携協定の推進が着実に実行に移されるよう、政府に働きかけていく。
 中でも自由貿易/経済連携協定の推進は、グローバルに事業を展開する自動車業界にとって、貿易や投資の自由化・円滑化、更にこれらの共通ルール策定という極めて重要な意味を持つため、TPPおよび日-EU EPAの早期合意に向け交渉が加速されるよう、政府の取組みを支援していく。

<安全・快適で持続可能なクルマ社会の創造>
 安全・快適で持続可能なクルマ社会を創造していくことは、我々自動車業界にとって最も大きな使命の一つである。クルマ、バイク、歩行者や自転車など、“道”を使うすべての人の安全・快適かつ自由な移動の実現を目指し、高度運転支援等の自動運転技術の導入・普及に努めていく。また、これらのハード対策と併せ、ソフト対策として、交通安全啓発活動や道路交通環境改善に向けた提言などにも積極的に取り組み、「世界一安全な道路交通」の実現に尽力する。
 昨今の大規模な品質問題に対しては、お客様からの信頼回復に向けて、業界をあげてこれまで以上に真摯に取り組んでいく。
 またエネルギー・環境問題については、地球温暖化抑制や大気環境改善に向け、今後も次世代自動車の開発・普及に積極的に取り組む。
 とりわけ、燃料電池自動車・電気自動車の普及には、インフラの先行整備が必要なことから、関連業界と協力を図るとともに、車両普及やインフラ整備に対する一層の支援を政府に求めていく。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック、またその先を見据え、未来のモビリティの実現に向けて、政府、自治体、関係団体・企業等と連携を図りながら着実に歩を進めていく。
 さらには、世界で最も安全、快適で、環境に優しい、夢のある豊かなクルマ社会の実現に向けて様々な課題に積極的に取り組んでいく。

以 上