JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2007年05月17日

「これからの交通社会資本整備のあり方についての提言」について

(社)日本自動車工業会(会長:張 富士夫、以下 自工会)は、このたび、今後の我が国の道路整備のあり方等に向けて『「これからの交通社会資本整備のあり方についての提言」〜豊かなクルマ社会の実現のために〜』をとりまとめた。

我が国の交通社会には、人口減少、高齢化への対応、安全・安心、交通流円滑化を通じた環境負荷の低減、地域の活性化や国際競争力など多くの課題がある中、交通社会資本が十分に形成されているとはいえない状況にある。

このような認識の下、本提言は、現在、政府において検討されている次期社会資本整備重点計画(2008〜2012年度)及び道路整備の中期計画等に対し、これからの交通社会資本整備のあり方について、豊かなクルマ社会の実現のために有効と思われる施策を、「誰もが快適に移動できる交通環境」、「安全・安心な道路交通」、「渋滞がなく環境負荷の小さな道路交通」、「経済の発展に資する交通サービス」の4つの視点から、10の方策を抽出し、取りまとめたものである。

限りある財源を有効に活用し、期限が間近に迫った政府目標(交通事故削減に関する政府目標「2012年までに死者数5000人以下」、京都議定書目標達成計画「第一約束期間:2008年〜2012年度」) や道路整備の中期計画の達成など、今後概ね10年で成果を上げるには、今こそ集中的な投資が必要であり、本提言にある整備効果の高い施策への重点投資によるスピーディーな事業実施の必要性を訴えている。

【提言のポイント】

視点1.誰もが快適に移動できる交通環境

人口減少・高齢化による社会の構造変化に対応し、まちを活性化させ、町村部など地方の生活を支える道づくりを通じ、移動に制約のある方をはじめ、全ての快適に移動できる質の高い交通環境を目指す。

  • 方策1.快適で質の高い道作り
  • 方策2.地方部の暮らしを支える道作り

視点2.安全・安心な道路交通

生活道路での安全対策の充実をはじめ交通安全の確保、災害に強い道路作りとともに、“道路の高齢化”に対応した安全・安心な道路交通を目指す。

  • 方策3.交通事故の起きない道作り
  • 方策4.災害に強い道路網
  • 方策5.道路の長寿命化に向けた維持補修

視点3.渋滞がなく環境負荷低減の小さな道路交通

ボトルネックの解消や交通集中の分散など、円滑化効果の高い道路整備を重点的に実施し、渋滞が無く、効率的で、CO2など環境負荷の小さな道路交通を目指す。

  • 方策6.渋滞ポイント対策の早期実施
  • 方策7.高速道路利用の促進
  • 方策8.総合的な路上駐車対策の推進

視点4.経済の発展に資する交通サービス

人口減少と高齢化の中で経済の発展に資するために、地域間の幹線道路ネットワーク等の充実により、地域経済圏の自立と発展及び国際競争力の強化を目指す。

  • 方策9.幹線道路ネットワークの充実
  • 方策10.空港・港湾と高速道路の直結

以 上