JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2007年05月17日

平成19年度事業計画

平成19年度の日本経済は、企業の旺盛な設備投資や雇用・所得環境の改善が続くものと見込まれ、また、米国やアジアを中心とする世界経済の安定的成長も予想されることから、プラス成長を持続するものと見込まれる。

平成19年度の四輪車国内総需要については、企業収益等が引き続き堅調に推移することなどから所得の改善が期待され、年後半から消費の回復が見込まれるものの、自動車NOx・PM法の規制対象台数の大幅な減少等から、前年度を下回るものと見込まれる。
輸出については、各地域における現地生産の進展、為替動向や各社の戦略により左右されるが、米国や中国経済の堅調な推移などにより、前年同等レベルが見込まれる。

二輪車国内総需要については、平成17年のAT免許導入や高速道路二人乗り解禁、平成18年の二輪車ETCシステムの導入など利用環境面での改善はあるものの、 若年人口の減少と原付免許新規取得者の減少などの構造変化により、前年度を下回ることが見込まれる。

自動車産業は、日本経済の維持・発展のために、我が国の基幹産業としての役割を果たすことが期待されている。そのためには、今日の経済社会において自動車産業に求められている社会的要請についての認識を高めるとともに、常にお客様視点に立って、一人でも多くの方に“クルマファン”になっていただけるよう、クルマが持っている様々な魅力を今まで以上に提供していく努力を重ねていく必要がある。

具体的に取り組むべき課題は多岐にわたり、より高品質で魅力ある商品を提供するため、引き続き、安全・環境の両分野において積極的に取り組むとともに、一層進展する自動車産業のグローバル化に対応したビジネス環境の整備や基準・認証の国際調和に向けた取り組み、自動車が将来にわたって有用なものと認知されるよう、より快適で楽しいクルマの利用環境の実現などに取り組んでいく。

平成19年度における主要な事業方針は以下の通りである。

I. 安全と環境への取り組み

当会は「安全と環境の取り組み」を最重要課題に掲げ、更に取り組みを進める。

交通安全の問題については、我が国の交通事故死者数は平成13年から18年まで6年連続で減少し、6千人台と半世紀前の水準まで減少したものの、交通事故発生件数や負傷者数は、依然として高いレベルにあり、更に昨年来、飲酒運転が大きな社会問題となるなど、交通事故を巡る情勢は大変厳しい状況にある。 当会としては、政府が掲げる「世界一安全な道路交通」の実現に向け、車両の安全装備の一層の充実や交通安全キャンペーンの展開など、ハード・ソフトの両面にわたって、最大限の努力を継続する。

環境問題については、京都議定書目標達成計画の推進や大気環境の改善に向け、環境への配慮を最優先にした自動車の普及とともに、交通流円滑化のための調査・提言活動、エコドライブ実践の啓発などの取り組みを加速させていく。

なお、自動車リサイクルについては、すでに90%を超えるリサイクル率を達成するなど、会員各社とも積極的に対応しているところであり、今後とも循環型社会の構築に向けて、貢献していく。

II. 自動車産業のグローバル化への対応

世界各国でビジネスを展開する当業界にとって、貿易や投資に関するビジネス環境の整備は極めて重要である。当会としても、WTOの多国間協定や経済連携協定の推進を大いに歓迎するとともに、相手方政府や業界へ働きかけを行うなど、政府の活動を支援していく。

また、平成19年10月には、各々5回目を迎える乗用車及び商用車グローバルミーティングの開催が予定されている。欧米の自動車業界首脳との対話を通じて、燃料品質や排出ガス等の環境への対応、知的財産権の保護など、各国に共通した課題に対する認識を共有化するとともに、協力した取り組みを推進していく。

III. より快適で、楽しいクルマの利用環境への取り組み

お客様に快適なカーライフを過ごしていただくために、クルマの利用環境改善に積極的に取り組む。

道路特定財源の一般財源化問題については、昨年来、日本自動車連盟や自動車税制改革フォーラム並びに石油業界とともに、一体的な活動を展開してきた。特に署名活動においては、1,035万人の方々から一般財源化反対の署名を頂戴した。 一方、平成18年の政府・与党基本方針にて、現行の税率水準の維持及び一部「一般財源化」が決定されたことは、納税者の理解を到底得られるものではないことから、当会では今後とも納税者であるお客様の声を粘り強く政府に訴えていく。

さらに、お客様の利便性・安全性向上の観点から、ITS社会の早期実現、都市部における駐車場整備の推進、福祉車両の開発・普及等に前向きに取り組んでいく。

また、「第40回東京モーターショー」は、10年ぶりに商用車を含む「総合ショー」として平成19年10月に開催される。クルマの持つ夢や楽しさ、素晴らしさを訴求するために、従来からのお客様参加・体験型のコンセプトを継続するとともに、多様な特別企画を展開していく。

以 上