JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2015年03月19日

日本自動車工業会
池会長

●春闘の結果について

  • 今回の春闘の結果は、企業業績の改善を従業員へ還元し、その努力に報いたいという各社の思いが反映されたものである。
  • 賃上げによって経済の好循環に繋げたいという政府の期待に、自動車業界として実力値以上に応えたものと認識している。
  • 日本再興戦略の中で自動車を大きく取り上げるなど政府の後押しがある中、労使自治の原則のもと、労使ともに日本の置かれている状況を踏まえ、自動車業界として経済のけん引役を果たすとの共通認識にたって真摯に議論をした結果である。
  • また、非正規従業員の処遇に関しても、要求に対し、各社からそれぞれ前向きな回答が出されていると理解している。
  • 中小企業への波及については、自工会としてコメントは難しいが、足元での為替の影響等により自動車メーカーの業績は改善傾向にあるため、六重苦の時に原価低減や能力拡大に向けて頑張っていただいたことに対して、各社とも応えていかなければならない。今回の自動車業界の回答がけん引役となって、中小企業を含め全国津々浦々まで波及すればよいと思う。

2015年度自動車国内需要の見通し

  • 2015年度は景気の緩やかな回復が見込まれるものの、登録車は、消費増税とその駆け込み反動減やエコカー減税の基準見直しの影響などがあり前年度並み、軽自動車は、軽自動車税の増税に伴う駆け込み需要の反動減等を想定し減少を見込んでいる。こうしたことから、四輪総需要は、対前年度比94.6%の499万台を見込んでいる。
  • 二輪車の総需要は、各カテゴリーのラインアップの拡充や軽自動車税の引き上げが一年延期されたこと等もあり、全体的には堅調に推移し、対前年度比101.1%の
    44万台を見込んでいる。
  • このように、国内市場はまだまだ楽観できる状況にはないが、本年は東京モーターショー開催年であり、各社から新モデルが多数投入され、それが起爆剤となって国内需要が上振れすることを期待している。

●円安の影響について

  • 円安は我々製造業にとって間違いなく追い風となっているが、一方では、特に原材料の輸入面では厳しい状況であると理解している。
  • 超円高の時代には、海外での競争力を高めるために海外から部品調達を進めていたが、国内部品への回帰が進む傾向が出始めており、今の為替水準が中長期で定着すれば、今後数年かけて徐々に国内回帰の動きが加速すると思う。

●エアバッグの問題について

  • 当該部品メーカーは原因究明のための調査を進めているおり、また、関係する自動車メーカーとしても共同で調査を実施している。調査のために回収した部品の絶対数が膨大であるため、その分析に時間がかかっているが、真の原因究明に向けて、やるべきことを一つ一つ行っている。

 

以上