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会長会見 2012年04月13日
日本自動車工業会
志賀会長
会長就任の2年間を振り返って。
- 2010年5月の会長就任後、円高是正の主張をはじめ、5重苦という言葉で対外的に訴えて行く過程で会員会社間で強い団結意識が生まれたことが印象的であった。
特に、東日本大震災直後、自工会として団結して様々な対策を一丸となって行い、日本経済、社会に貢献できたことが、その象徴的な活動であったと感じている。
豊田次期会長への期待等について
- 「車体課税簡素化・軽減」はやり残したと思っている。豊田章男さんには会長就任後、すぐに取り組んで頂けるものと思っている。
また、同氏はものづくりに対して強い意志を持っておられる方です。会長という立場としての言葉で、ものづくりの大切さ、日本の強みを次世代に伝えて頂きたい。
- さらに、同氏は業界きってのクルマ好きです。次回のモーターショーにおいてクルマの楽しさを訴えて「クルマ離れ」に歯止めをかける、或いはクルマ熱を高めて頂く、そうした楽しい企画を考えて頂ければと思っている。
消費税の引き上げ議論と自動車業界に与える影響について
- 消費税が上がって、自動車取得税がそのまま据え置かれると、最終的には両税合わせて15%になる。
他方、7500万台という自動車保有台数からすれば、自然体でも相応の規模の内需(代替需要)があってよいものと考えている。
しかしながら、国内需要は低迷の一途をたどっており、その要因のひとつとして、ユーザは既に9種類・8兆円に及ぶ重い税負担を負っていることが挙げられる。
加えて自動車重量税・自動車取得税は課税根拠も失っており、しっかりと内需を作り出すためには、速やかに両税の廃止・負担軽減が必要。消費税が引き上げられ、両税が残っているという状況は何としても避けなければならない。
今夏の電力供給問題について
- 現在、自工会として統一的な対策や方針を議論している状態にはない。昨年実施した「休日シフト」の導入は難しいのではないか。
- 各社の拠点毎の電力供給事情に合わせ、各社で対策を検討している状況であろう。
- 自工会は、政府には電力の安定供給に関して最大限の努力を図って頂きたいと考えている。
- 新たな契約料金になっても消費者の方々にそのコスト負担を転嫁しないよう、製造過程の中で吸収していく努力をする所存である。
- 原発の再稼働に関しては、一業界団体がどうすべきか言えることではない。
国民の考え方に基づき、安全・安心の面を含めて国民の理解が得られるような最大限の努力が図られ、そして議論が尽されて決定されるものと考える。
エコカー補助金終了後の反動等に関する考えについて
- 補助金復活の元々のストーリーは、歴史的な円高により、空洞化問題が非常に深刻な問題となった中、そうした状態を引き起こさないために講じて頂いた制度であるため、メーカーとしては、その間に生産を維持していくことが求められる。
従って、補助金終了後は、今よりも、より円安に振れることを通じて輸出増となり、その結果、日本の生産レベルが維持されていることが理想的な状況。
- 加えて、補助金終了後の早い段階で車体課税簡素化・軽減が図られれば、反動も最小限になるため、そうした施策も含めた政策上の色々な配慮をお願いする一方で、メーカーとしては、内需喚起、輸出促進に努力したい。
EVの充電器の複数の規格化の動向について
- CHAdeMOは日本国内では既に標準化されており、例えば日産の場合、欧・米・アジアへもCHAdeMO方式で輸出している。
- 現在、CHAdeMO方式しか世の中に存在しない状況であるが、欧米の業界はCOMBO方式を世界標準にしようとしている。現実にまだ存在していないものが、存在しているものを排除すべきではないと思う。
併存はやむを得ないが、どちらかがどちらかを排除することはユーザの利便性の確保の観点からも避けるべきである。
以上
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