JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2012年03月15日

日本自動車工業会
志賀会長

東日本大震災の発生から1年が経過しました。被災地では、日々、多くの方々による復興支援が行われておりますが、一人でも多く、1日でも早く復興が実感できるようになり、併せて健康面においても一層ご自愛されることを祈念いたしております。

2012年度の需要見通し

  • 四輪車の2012年度の見通しは480万台を見込む(2011年度見込み比9万台、2%増)。
    なお、2011年度は、471万台を見込む(2010年度比で11万台、2%増)。
  • 二輪車の2012年度の見通しは43万台を見込む(2011年度見込み比▲15千台、3%減)。
    なお、2011年度は、45万台を見込む(2010年度比で2.5万台、6%増)。
  • 補助金制度が終わる時期には、円安が進み、公平な競争条件の下での輸出ができ、そうした環境の中で生産が維持されているというシナリオを望んでいる。

自由貿易の推進

  • 本日、米韓FTAが発行した。我々は円高や法人税、電力コストでハンデを背負っているが、自由貿易においてさらにハンデを背負うことは厳しい差を感じざるを得ない。
  • 自由貿易の推進のため、かねてより政府にお願いしてきたEUとのEIAやTPPに加え、先週、日本とカナダとのEPAの可能性に関する共同研究報告書が取りまとめられたことを踏まえ、これらの早期交渉入りを改めて強く要望する。

次期自工会会長

  • 今年は会長改選期。次期会長会社はトヨタ自動車にお願いし、本日の理事会で、現在、同社の取締役社長で自工会副会長の豊田章男氏に内定した。5月17日の理事会で正式選任予定。
  • 次期会長には、六重苦の中で日本のものづくりをしっかりと維持し、内需の活性化を図っていく過程で発言力やリーダーシップを発揮して頂くことに加え、同氏はCar Guyでもあるため、「クルマの楽しさ、安全、環境」に対して、より一層取り組まれるものと期待している。

為替

  • 為替は一時の円高の状況から序々に緩和されて今は84円台だが、85円レベルでは決して円安レベルに戻ったということではない。私の言葉では、100円を超えた辺りは「円高」、80円台は「超円高」、70円台は「超々円高」であり、現時点は、「超々円高」が「超円高」になったに過ぎない。政府・日銀には引続きこの「超円高」の是正に向けた所要の対応をお願いしたい。

中国のレアアースの輸出制限に関するWTO提訴

  • 自動車メーカーは、使用量を減らす、代替の材料を使う、代替の生産地を捜す等の現在の供給状況の改善に向けた努力は行なっているが、WTOの枠組みの中で、しっかりとした協議が進められることは問題解決の有効な手段であるものと期待している。

米国の市場について

  • 2月の1,500万台レベル/年率換算は嬉しい数字だ。米国国内の需要増は、米国経済がしっかりした足取りで回復をしていることがこの数字からも見える。
    こうした米国の動向に加え、円高の緩和、欧州危機が落ち着き、日本での需要も手堅いということが重なれば、自動車業界については2012年は期待できる年になる。

 

以上