JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2011年12月15日

日本自動車工業会
志賀会長

東京モーターショーについて

  • 「第42回東京モーターショー」は約84万人の来場者となり、目標(80万人)を上回ることができた。ご来場・ご協力頂いたすべての皆様に深く感謝申し上げます。
  • 久しぶりに熱気のある東京モーターショーを見て嬉しい気持ちになった。特に今回、環境・安全等に広がりを持ってきたIT及び家庭との繋がりという、自動車だけではないモビリティ社会の体験通じて、新たな面での自動車に対する関心を高めて頂けたのではないかと思う。
  • 今回の東京モーターショーでは、各社はエコだけではなく、もう一度クルマの楽しさや走りの楽しさ、さらにはクルマを媒介したいろいろな生活の楽しみ方を表現することが出来た。

税制結果について

  • 「平成24年度税制改正」については自動車重量税の一部軽減と、エコカー減税の3年延長、エコカー補助金の復活が打ち出された。我々の要望にご理解を頂きこうした措置が図られたことに対し感謝申し上げます。
  • 私どもの税制上の要望はエコカー減税の延長、自動車取得税・自動車重量税の全廃でありましたが、両税の抜本改革が先送りされました。この点で自動車ユーザーの期待に応えるものになっていないことは残念です。しかしながら、税制改革フォーラムが税制要望活動を始め、その展開を深めて行く中、活動内容や対外的対応にブレが生じたことは全くないことは是非とも理解頂き
    たい。
  • 外部の税制関係者からは、「自工会の主張は正しく、税制改正されるべき」との意見を聞いていましたので、期待はしていたのだが、財源の問題が大きくなってしまった。本来、財源問題は、廃止を要望している者が考えるものではないとは思われるが、最後までその部分が埋まらなかった。
  • 円高・空洞化対策として講じて頂いたこうした措置を活用し、市場活性化に努めつつ、今後、消費税率の議論の中で自動車取得税と自動車重量税の廃止の実現に向け尽力していきたい。

1年の振り返り

  • 今年は激動の一年でした。東日本大震災、夏の節電、10月のタイの洪水、そして年間を通じて悩まされたのは、歴史的な超円高でありました。
  • そうしたいろいろな出来事がある中、震災によるサプライチェーンの寸断が企業の垣根を越えた取り組みの結果、1ヶ月後に部分的な生産再開できたことでは日本の「ものづくり」の逞しさを認識し、また、電力需要抑制に向け、関係者が業界一丸となって取り組んで乗り切った経験もふくめ、震災を通じてこうして学んだ多くの教訓を糧に、今後の成長に繋げて参ります。
  • 「円高」については異常な水準が長期化しているが、今回、決定して頂いたエコカー補助金は円高・空洞化対策への早急な対策が必要なこの時期、本当に時宜を得た政府の対応であり、エコカー減税と併せてしっかりと活用し、国内での「ものづくり」の維持に努力する一方、政府におかれては、引続き、抜本的な円高の是正にご尽力を頂きたい。

海外景況

  • この円高の中で、日本メーカーは非常に不利な厳しい状況ですが、今後の懸念のあるイタリア、スペインなどを含め、市場に対しては少し悲観的な見方が強まっているという印象。
  • また、新興国について、例えば中国は乗用車に関してはGDP並みの成長であり、日本のメーカーが戦っている乗用車の部門ではまだ根強い需要はあるという印象。
  • 経済不安が新興国へ飛び火するシナリオ等いろいろ考えられる中、悪い方向には考えたくはないが、楽観的な見通しを立てるのは非常に厳しい状況にある。

その他

  • 11年度需要見通しは445万台だが、エコカー補助金の復活による影響(効果)はあると思う。

 

以上