JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2011年09月27日

日本自動車工業会
志賀会長

東日本大震災の発生から半年が経過しました。被災地において不自由な生活を強いられている方や特にご高齢の方には、夏の暑さと節電による体調への影響を心配しておりました。少し過ごし易い季節となりましたが、まだまだご不自由な生活は続いております。引き続き、健康にご自愛頂ければと思います。

2011年度需要見通し等

  • 本件は、東日本大震災の影響で本年3月に予定していた発表延期に伴うもの。
  • 四輪車は4,450,300台を見込む(前年実績比約15万台減、96.7%)。
  • 二輪車は441,000台を見込む(前年実績比で約2万台増、104.6%)。
  • 2011暦年の需要見通しを見直した結果、当初見込み4,465,000台に対して4,250,200台(前年比85.8%、約21万台の下方修正)とし、二輪車同様に409,000台に対し、435,000台(前年比102.7%)を見込む。

平成24年度税制改正要望

  • 要望項目は「自動車・環境税制」として5項目。「自動車関係諸税の簡素化ならびに負担軽減の実現」と、「先進環境対応車の普及インセンティブの創設」の2点が重点要望項目。
  • 企業税制は15項目要望し、法人実効税率の引下げ等の4項目が重点要望項目。
  • 自動車環境税制の簡素化や負担軽減要望については、当会は実現に向けた極めて重要な年と位置付けている。
  • 税制改正に臨む業界の気運は大変強い。日本のものづくりの成長の速度を緩めないためにも税制を簡素化・軽減し、内需喚起を図ることは重要な政策である。
  • 軽自動車税に関しては、軽自動車の税制のレベルが諸外国の税制のレベルであると理解している。登録車の自動車税を下げる、あるいはグリーン化していく等の考え方の中で、平準化、平等感を出していくべき。

円高等の経済状況

  • 現在日本は、欧米における経済や金融不安が主な要因とされる未曾有の円高に見舞われており、もはやコスト削減などの努力で克服できる限界を超えた水準となっている。
  • その対応については、生産の面では日本での生産コストの削減をサプライヤーと連携して取り組んでおり、また、政府に対しては、自動車業界の実情を様々な場面で説明しつつ経済の実情に合わせた対策をとって頂くようお願いしている。
  • 欧州・北米・新興国等の市況については、足下はそれほど悲観的な状況ではない。経済を取り巻く不安感が根底にあるので、正確なマーケットの状況を伝え、不安が不安を煽らないようにしていきたい。
  • 欧州経済に関しては、EUが統一通貨を作ってきた志やコンセプトは世界中から評価されており、EUの主要な国々がリーダーシップを持ってこの危機を乗り越え、その中でユーロの為替水準が通常レベルに戻ることを切に祈っている。

夏季の節電対策等

  • 7月から大規模停電を回避するために実施した自動車業界の休日シフトが今週で終了する。
  • 東京電力管轄の内外ともに節電に貢献ができ、経産省や電力業界からも感謝の言葉を頂いた。
  • 一方で、休日シフトが多くの関係者の多大な負担の上に成り立っていたため、終了の時を迎え、ホッとしている。協力を頂いた全ての方に皆に、自工会会長としてお礼を申し上げたい。
  • 自動車産業の使命として、復旧・復興に向っている日本の経済復興に貢献したいという思いの中での取り組みであったが、結果的には電力使用面での大きな不安は生じなかった。自動車産業の影響の大きさ等を含めて考えると、休日シフトの判断は決して誤った判断ではなかったと思う。
  • 今回は危機を招かないための緊急的な対策であって恒久的な対策ではない。従って、今冬以降については、経済の基本的な要件である電力の安定供給を政府にお願いしたい。
    また、今後、現時点で今夏と同様の対策を行うか否かについては、自工会で相談していない。

以上