JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2011年04月26日

日本自動車工業会
志賀会長

東日本大震災の発生から1カ月半が過ぎましたが、改めて亡くなられた方々をはじめ被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
自動車業界が一刻も早く元気を取り戻し、モノづくりを再開することが、被災地のみならず日本経済全体を回復させる原動力になるものと確信しています。

夏季の電力需給のギャップへの取組み

  • 東京電力・東北電力管内での電力不足対策として大口需要家に対して25%削減が求められているが、大規模停電あるいは計画停電を回避するため、各社の取り組みに加えて、「稼働時間を減らさずに賢くピークを抑制する」という輪番休日のコンセプトに理解頂き、複数業界・企業にも参加頂きたい。
  • 土日に替わり月火など連続で休日をとる。サプライヤーへの影響も考慮し、東京電力・東北電力管内で業界がまとまって取る。他の平日を他業界が休日とし、全体としてピーク電力を下げるというのがイメージ。
  • 東京電力・東北電力管外での対応については、現在自工会内で協議中。
  • 今後の検討により7月頃には電力供給が積増しされるとの報道があるが、現時点でそれを折込んで計画を立てることは時期尚早。
  • 企業の取り組みとともに家庭での節電も非常に重要であり、国民全体で参加するということが必要と考える。

福島原発事故に伴う放射線量計測

  • 東京電力福島第一原発事故発生後、諸外国において日本製自動車への放射性物質の影響に対する不安の声が一部で生じた。
    そのため、4月18日付コメントにおいてその安全性を示唆する方策として、輸出車両及び国内向け自動車に対して放射線測定を開始する旨を国内外に対して発表した。
  • これにより、国内外のお客さまにおいて、日本製自動車を安心して使用して頂けるものと確信している。

東京モーターショーの開催

  • 「第42回東京モーターショー2011」は12月2日(土)〜11日(日)までの10日間、東京ビッグサイトにて開催する。
  • 日本のモノづくりの逞しさ、日本の技術力、日本の復興力を強く国内外に発信する。
  • 出展状況は、世界11カ国・1地域からブランド数で合計175のブランドが参加する。
    自工会の会員メーカー14社・15ブランド及び欧州等の19社22ブランドが参加する。

被災した部品サプライヤーへの支援

  • 各社はサプライヤーからの要請に基づいて支援を行ってきたが、サプライチェーン全体を震災以前の正常な状態に戻すにはしばらく時間を要する。
  • 被災地に500社のサプライヤーがあるが、4月20日時点で、直接訪問、物的支援、人道的支援、人的支援を行った。
  • 部品の供給不足に端を発し、生産された部品の配分について、業界が自主的な購入ルール作りを検討しているとの報道が一部にあったが、 各社がそういう観点で連絡を取り合ったり、自工会がなんらかの斡旋をしたりという事実は全くない。
  • サプライチェーンにおけるリスクのマネジメントを中長期的な検討課題として考えている。

その他

  • 震災の影響による1ヶ月以上に及ぶ生産停止で国内外のお客様にご迷惑をおかけしたことをお詫びする。
    今後は、1台1台、心を込めてお客様に届けたい。

以上