JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2010年05月20日

志賀会長

事業方針

(重点項目)

  • 本日の総会において、平成22年度の事業方針として
    1. 安全と環境への取り組み
    2. 国際的な相互理解と協力の促進
    3. クルマの夢・楽しさの訴求と快適な利用環境への取り組み
    の3点を事業の柱として重点的に活動していくことを決定。

(安全への取り組み)

  • 交通事故の低減と被害軽減を目指し、車両単体の技術に止まらず官民合同のITSプロジェクトなど、交通システム全体を視野に入れた先進的予防安全技術や、衝突安全技術の開発・普及を進めると共に、交通安全啓発や道路環境対策への提言を推進し、政府が掲げる「世界一安全な道路交通の実現」に向けて、ハード・ソフトの両面にわたり積極的に貢献する。

(環境への取り組み)

  • 地球温暖化対策を最重要問題として捉え、低炭素社会の実現を目指し、低燃費技術や電気自動車などの次世代自動車の開発、交通流円滑化のための道路施策の調査・提言など、道路交通分野における総合的対策の取り組みを一層加速する。
  • なお、日本政府は温室効果ガスの排出量2020年に1990年比で25%削減すると国際公約をしているが、今後、国際的な公平性・実効性に配慮すると共に、雇用への影響・国民負担増などを提示し国民の意見が反映されるような議論を進めて欲しい。

(グローバル対応)

  • 自由貿易体制の推進と公正なビジネス環境の整備は極めて重要な課題で、WTOドーハラウンドの早期合意、EPA/FTAの推進は世界経済全体の回復と安定に繋がるものと考える。
  • また、国際課税問題や知的財産権侵害などの諸問題に対して、関係各国の政府・業界との緊密な
    関係を通じ、日本政府の活動を積極的に支援する。

(利用環境の改善)

  • 日本の自動車ユーザーの税負担は非常に高く、業界として引き続き、自動車関係諸税の簡素化・軽減に向けた積極的な働きかけを行う。

(国内生産)

  • 自動車業界を取り巻く状況は、エネルギー制約・地球温暖化問題に対する関心が高まる中で、電動化車両の市場投入などにより、産業構造が変化する大きな転換期を迎えている。日本国内でモノづくり産業を維持発展させるためには、規制緩和、法人税を含めた税制改革など、更なる事業環境の整備が重要で、その実現に向けた取り組みを推進する。

新任副会長コメント

  • 志賀会長をサポートし自動車業界の発展ため、各副会長と協力、且つアドバイスを頂きながら頑張りたい(豊田副会長)。
  • 志賀会長を補佐し自動車産業の環境が変わっていく厳しい状況の中で、従前以上の国際競争力を維持・発展させるため尽力したい(伊東副会長)。

需要・輸出の動向

  • 自動車産業にとって最悪期は脱し徐々に上昇してきているものの、それは日本を含め多くの国で政府の内需喚起策・代替刺激策を実施した結果の需要押し上げ、あるいは一部新興国の伸びによるもので、引き続き需要動向を注視していく必要がある。
  • 輸出については、米国・欧州・中東の主要輸出先の需要が完全に回復しておらず、本格的に金融危機以前のレベルに達していない。
  • 今後については、欧州の動向が不透明で少し慎重な見方を持っている。

東京モーターショー

  • 第42回東京モーターショーを2011年12月2日(金)〜11日(日)の10日間、東京ビッグサイトにて“新生東京モーターショー”として開催。
  • 昨年のショーの入場者数は我々が期待していたレベルには届かなかったが、出品各社は世界の最先端技術を展示しており、日本の自動車メーカーの存在感を世界にアピールすることができたと思う。
  • ご来場者の多くは、外国の自動車や技術も見たいと望んでおり、また海外メーカーは東京での開催を希望していることから、“心機一転”会場を東京に移すことになった。我々の持っている先進的な技術・商品を示すことで、存在感のあるショーにしたい。

抱負

  • 日本全体の元気がないと言われている中で、日本経済を牽引し、雇用・納税に貢献することにより、自動車産業が頑張ってくれて良かったと言われるよう頑張りたい。

政府への要望

  • 国際競争の中で日本のメーカーがハンデを背負っているような部分については、公正な競争ができるよう政府に対して要望していく必要があると思う。

以上