JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2008年12月18日

青木会長

国内需要見通しについて

  • 来年の四輪車国内需要は、今の厳しい市場の状況が続くと思われることから、486万台程度とかなり厳しい見通しを設定した。
  • お客様に評価いただけるような楽しいクルマの提供や、新年度からの低炭素車に対する税制面での減免措置をテコに市場活性化を図っていきたい。

来年の展望と課題について

  • 来年もいろいろな面で厳しいと想定している。米国に端を発する金融危機の影響が世界中のマーケットに現れており、自動車業界は大変な環境の中におかれている。
  • 昨今の急激な円高は、足元だけでなく中長期的にも企業収益に大きな影響を及ぼすことになり、こうした傾向が来年も続くことを前提に事業策定をせざる得ない環境にあると思う。
  • オイルショックや貿易摩擦などの過去の危機は個社や業界で対応できたが、今回は世界全体の需要自体が落ちてきているという点が過去の危機とは大きく違うところ。世界経済全体を浮揚させるような施策を各国政府にお願いしたい。

米国の利下げについて

  • 米国連邦制度準備理事会(FRB)による利下げが、アメリカ経済の下支え効果と世界経済にとってもプラス効果になることを期待している。
  • ただし、日米の金利差逆転により円高が進行することは、グローバル事業を展開する企業にとって大きな障害となる。急激な為替変動は望ましくなく、為替の安定を望んでいる。
  • 全体経済を下支えするような政策を早期に実施していただきたい。

ビッグ3に対する救済措置について

  • 米国では民間に対して政府が介在することはなかったと思うが、米国市場や企業が大変困難な時期にあることから緊急避難的な措置はあり得るのではないか。世界経済全体を考えた場合、米国自動車産業の健全性を取り戻すという観点から必要だと思う。

非正規社員の雇用見直しについて

  • 世界的な自動車需要の大幅な減少への対応として生産を落とさざるを得ない状況にあり、各社が聖域を設けず見直しを行なっている中で、生産規模に応じた雇用の見直しは、企業の競争力を維持していく観点からの苦渋の決断だと思う。

自動車総連の賃上げ要求方針について

  • 賃上げ等については個社の問題であるが、自動車業界がおかれている環境ということから申し上げると、自動車総連の要望はかなり重い要求ではないかと感じる。