JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2008年05月15日

(青木会長)

就任挨拶

  • 自動車業界は、温暖化対策などの地球環境問題への取り組みや世界的な金融市場の混乱・原油価格高騰をはじめとする数多くの乗り越えなければならない課題に直面しており、まさに、グローバルな相互理解と協力の促進という「地球的視野」が、益々重要度を増す大きな変革期にある。
  • こうした中、安全や環境など社会的な要請に積極的に対応していくとともに、ものづくりの基盤を維持・強化し、国際社会においても、公正かつ自由なビジネス環境整備に資するよう行動していく。
  • 国内市場については、少子高齢化や市場の熟成化による低迷に対して、どのように需要喚起していくのか、新しい夢や楽しさをいかに高めていくのかという大きなテーマがあるが、「お客様視点」を大切に、税制や交通システムなどを含めた総合的な観点から、自動車の利用環境向上に取り組んでいきたい。

新任副会長挨拶(渡辺副会長、益子副会長)

  • 我々を取り巻いている環境は大変厳しい。環境、エネルギー、安全、国際協力、市場活性化という大きなテーマについて、業界をあげて対応できるよう青木会長を補佐していきたい。(渡辺副会長)
  • 経済的にも世の中一般的にも非常に厳しく難しい時期であり、青木会長をサポートして業界活動に力を入れていきたい。(益子副会長)

国内市場活性化について

  • いかにお客様に魅力のあるクルマを提供するか、という努力を続けていくことが重要であり、クルマに対する夢・楽しさを訴求していく場の設定などに取り組んで行きたい。
  • また、クルマを利用する際の利便性改善について、複雑で過重な税金の問題の解消や、二輪車においては駐車場の更なる整備、確保など、お客様の利便性を上げていくためのハード・ソフト両面での対応が必要と考えている。

原材料・鋼材価格の高騰について

  • 鉄鋼のみならず希少金属等も含めた原材料価格の高騰によって、当然、自動車やオートバイの製造コストがあがっているが、企業内部では最大限の原価低減の努力をしているところである。
  • 国内マーケットにおいて、原材料価格高騰分をお客様にお願いするということは難しいと思われる。鉄鋼業界とは競争力強化の観点から、お互いに効率や生産性を向上させる知恵がないか検討中である。

中国四川省大地震について

  • 大変な被害が出ていると伺っており、先ずは罹災された方々に対してお見舞い申し上げる。
  • 長期的に見れば、中国の自動車産業は広大な需要をベースに、今後とも大きな成長の可能性があることに変わりはないと思う。

道路特定財源問題について

  • 道路整備のために支払っている税金は、本来の目的に使用される「受益と負担」の関係を明確にした税体系であるべきだと考える。
  • 歳入をそのままに使途だけを一般財源化することでは、納税者の理解を得るのは難しいと考えている。
  • 今年秋の税制抜本改革の際に見直すこととされており、今後、自動車関係諸税の根本 見直しをお願いしたい。

知的財産委員会の新設について

  • 良い製品を作るために持続的な技術開発を行っていくためには、その成果を十分確保していくことが重要であるが、近年、知的財産権や商標権の侵害が拡散しつつあると認識しており、こうした状況に短期的・中長期的にしっかりと対処していくため知的財産委員会を新設した。