JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2006年03月16日

(小枝会長)

春季労使交渉について

  • 各社の回答内容については、各社が自社の状況を踏まえ労使間で真剣に議論を重ね、それぞれの自主的な判断で決着したものと考えている。
  • 賃金・賞与をはじめとする労働条件の引き上げばかりでなく、従業員の働きやすさの向上や安全・衛生管理、職場環境などを含めた幅広い議論を重ねた結果と聞いている。
  • また国際競争力をいかに維持・強化するかということも労使で真剣に論議されたと聞いている。
  • 日本の自動車産業はグローバルな成長産業だが、それは厳しい競争の中で生産性や技術が磨かれているから。賃金を上げれば数字上の国際競争力は下がるが、日本のモノづくりを強化するために、日本で働いている従業員のやる気や生産性の向上に対する真剣な取り組みを期待して、このような結果になったと思う。

次期自工会会長について

  • 今年は改選期で、次期会長はトヨタにお願いすることになり、本日の理事会でトヨタの張副会長に内定した。正式選任は5月18日の通常総会で行われ、任期は2年。

需要見通しについて

  • 景気回復のテンポに比べると、(06年度見通しが)前年比で100%ちょっとの伸びというのはそんなに多くないが、一自動車会社としてはかなり努力しないと行かない数字だと感じている。

GMについて

  • GMがスズキの株を手放したのは、スズキとよく話し合った結果だと思うが、スズキ自体が(株を)持つということなので、安定した形でいい決着だったのではないか。コア以外は手放すのがリストラの原則なので、それに則った決定だと思う。
  • GMは今悪いニュースばかり流れるが、研究開発力を含めた総合力としては依然大きな潜在力を持っている。それを早く顕在化し立ち直ることを期待している。
  • これを機に再編が進むかどうかはわからない。各社が考えることで、コメントする立場にない。

量的緩和解除について

  • デフレ傾向が弱まり日本経済も成長を始めたことが確認されたので、解除は妥当だと思う。
  • すぐには金利は上がらず、今までの金利がしばらく続くのではないか。
  • 日本経済は成長の過程に入り、個人消費も改善している。今回の春季労使交渉でも多くの会社で賃金が上がって賞与も増えている。そういう良い方向を摘み取らないような細かい政策を日銀にはお願いしたい。