JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2006年01月27日

(小枝会長)

春季労使交渉について

  • 一部では景気回復を受け賃金改善への積極的な受け止め方をされる向きもあるが、経営側としては従来から賃金は会社ごとに決めることであり横並びのベアはあり得ないと明確に申し上げてきている。
  • ベアでいくら、ということが意味をなさないような賃金体系を採っている会社も増えている。
  • 企業間の業績格差もあり、賃金交渉は個別労使でやるものと認識している。自動車業界は従来から個別労使での徹底した話し合いで決着を図ってきている。
  • 自動車産業は世界を相手に競争しており、「国際社会の中での日本の賃金」ということを第一に考えていかないと、国際競争に勝ち残れない。
  • 賃金は中長期の展望に立った見解が必要であり、短期の成果については今後も賞与や一時金で反映する方向になるのではないか。

道路特定財源について

  • 昨年、道路特定財源の一般財源化反対ということで、自工会もJAFを中心とした自動車税制改革フォーラムの一員として、署名活動や総決起大会等の活動をしてきた。しかし、納税者の声を無視した一般財源化への基本方針が打ち出された。
  • 基本方針はまだあいまいなところもあり、今年はさらに先の方向が決まる年になる。6月頃骨太の方針が出るので、その前が勝負だと思っている。
  • かなり早めに活動をしないと間に合わないと認識しており、そのために必要な活動をいま関係団体と協議しているところ。4月、5月にはいろいろな活動をやっていきたい。

2006年の世界需要見通しについて

  • 日本は昨年より微増の593万台。アメリカは景気指数が悪くないので昨年並みの1,700万台弱。ヨーロッパは昨年が微減の1,450万台程度だったが、今年はプラスになるのではないか。日米欧は成熟した市場なので、それほど大きなプラスにはならず、ほぼ横ばいだろう。
  • アジアでは、中国は一時期の40−50%増というのはないだろうが堅調に市場は拡大するだろう。アセアンも昨年が2桁の伸び率と思われるので今年も堅実な成長を期待している。
  • インドなど存在感が大きくなっている市場もあり、グローバルでは昨年並みか少し増えるのではないか。

ヤマハ無人ヘリ輸出問題について

  • 個別の会社の話で、また捜査中で結論に達していないので、コメントは控えさせていただく。

米国関連について

  • GM、フォードはポテンシャルのある会社なので、発表されたリストラ策を着実に実行して、早期に立ち直っていただくことを期待している。
  • 赤字になったからといっても、クルマの開発や販売を止めるわけではないので、シェアが落ちることはないと思う。
  • (日米摩擦については)日米間で目立った動きはなく、エモーショナルな反応が出ているとも聞いていないが、注意深く見守っていきたい。

乗用車グローバルミーティングについて

  • 2月にジュネーブにて第4回乗用車グローバルミーティングを行う。
  • 燃料品質の調和、知的財産権(模造品)、グローバルロードセーフティについて意見交換を行う予定。

軽自動車の税制について

  • 私見だが、軽の税制は若干安くなっているが、代わりに排気量や寸法などに規制がかかっており、バランスしているのではないかと思う。