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会長会見 2005年06月17日
(小枝会長)
シュレッダーダストのリサイクルの実績について
- 自動車リサイクル全体の動きは大変順調。これはユーザー、多くの関係事業者、関係官庁のご協力の賜物だと思っている。
- シュレッダーダストのリサイクル率については、3社程度がすでに発表をして、残りの社も発表の準備をしているところだが、当初の目標(2005年度以降30%)を上回る成績を上げており、約束したことはできると思っている。
- ただ2015年度以降70%の目標となると大変だが、新しい車はリサイクルしやすい設計がすでに採用されるなどシュレッダーダストをなるべく減らそうと努力しているので、このまま努力を続ければ達成できると考えている。
鋼材価格について
- 鋼材の交渉は各社がそれぞれやっていることであり、自工会の会長としてコメントする立場にない。
- 一般論で言えば、鋼材の原料価格が上がっているのでそれぞれ値上げを交渉していると思うが、これを直ちにクルマの販売価格に転嫁できるかと言うと、地域によって違うが、日本の場合世の中がデフレ傾向にある中で自動車だけがこれだけを理由に値上げするというのは大変難しいと思っている。
自動車メーカーの株価について
- 自動車メーカーの株価は、個人的に期待しているところまで上がっていないが、長いトレンドで考えた場合は、今までどおりの努力を各社が続けていけば、必ず投資家の皆様に評価していただけると思っている。
- 自動車産業は、日本だけを見ると生産台数も販売台数もここ数年一定だが、世界で見ると自動車の全需はかなりの勢いで伸びており、近い将来国内生産よりも海外生産のほうが増えると思っている。
- 商品の高度化もものすごい勢いで伸びており、付加価値も増えている。我々が成長産業であると見ていただけると思う。
東証・大証の上場廃止基準について
- いろいろ議論されているが、最終的には、市場に上場している会社がいかに自分自身を規制できて、しかも投資をしていただくお客様に正直に数字を発表するかということにかかっていると思う。
- 個人的な意見だが、各国や市場の目的によって市場の基準が若干異なるのはやむを得ないと思う。
日タイEPAについて
- タイとのEPAは自動車産業として大変関心を持っており、ぜひ実効あるEPAが結ばれることを期待しているところ。
- WIN−WINの関係になるEPAとなるよう、2度ほどタクシン首相に直接お会いして我々の意見を申し上げている。また先週、EPA締結促進の要望書をタイの交渉最高責任者であるソムキット副首相に出した。
- タイの心配は、部品の関税がなくなるとタイの部品を買わないで日本から部品を持ってくるようになるのではないかというものだが、そのような心配はない。
- タイに持っていっている部品は、タイで作らないで日本等で作ったほうが有利なもの、あるいはタイで作れないものであり、タイの部品の関税がなくなれば、日本から持っていっている部品について、その関税分だけタイの自動車のコストが下がるので、タイの完成車の競争力が上がる。
販売会社の自社登録について
- いま、試乗をしないでクルマを買っていただけるお客様は少ない。新車を出すと各販社は試乗車を登録するが、日産だけでも拠点は3千弱あり、全体としては膨大な数になる。
- 試乗車以外で、販売実績をただ上げるために販社がナンバーをとることについては、ディーラーやメーカーの経営に響いてくるので、自分の首を絞めることになり、これをやらないように各社努力をしている。
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