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会長会見 2005年05月20日
(小枝会長)
GM/フォードについて
- アメリカの人にとって、GM/フォードは大変大きな存在なので、ぜひご努力いただいて、もう少し元気になっていただきたい。
- GM/フォードの減産が続くと、アメリカの部品産業も心配になってくる。現地調達率はすでに高い率になっているが、それをより高めることが、回りまわってひとつの支援になるのではないか。
- 値決めその他については、それぞれ各社の判断で行なうことであり、自工会は特に関与も話もしていない。
- 論理的には、GM/フォードの問題で貿易摩擦が起きるとは考えにくいが、政治の世界はエモーショナルでもあるので、我々としては注意深く活動をしていかなくてはいけない。
自動車各社の決算について
- 各社とも良い業績を上げているが、これは日本国内だけではなく海外での活動など今まで種を蒔いてきたことがいま花開きつつあるということだと思う。
- 厳しい市場、厳しいユーザーである日本で競争していることが、競争力の基になっている。開発から生産まで含めたものづくりという点で、お客様のニーズにいかに合わせるかの努力も実ってきているということ。
- 今後も自動車産業は、ものづくりを通じて日本の基幹産業としてわが国の経済・社会に貢献していきたい。
- (好決算のわりには株価が上がらないことについては)今の努力を続けていけば、長いトレンドで見れば将来評価されると思う。
- 国内市場が一定であるので、自動車産業は成熟産業にカテゴライズされる場合があるが、それは若干の誤解で、世界でみると大変な成長産業であることがわかる。
- 誤解を受けてしまうのは、我々のPR・IR活動が足りないからかもしれない。世界に伍していく競争力を持ちながら、そういう活動を続けて了解を得ていきたい。
燃料・素材価格の高騰について
- ガソリンの値段が上がったからドライブを止めたという人はあまりいないと思うので、そういう意味では影響はない。
- 石油に関係しない産業・製品・商品はほとんどないので、いまの石油価格の動向を注意深く見ていきたい。
- グローバルの競争でみると、日本車の良いところは品質と燃費。生産が落ちたり収益が大幅にダウンするようなことになるとは思っていない。
- 鉄鋼の供給では、部品メーカー、自動車メーカー、鉄鋼メーカーが協力して非常に効率的な管理をしており、また生産性を上げるため鋼材の種類を減らす努力をしている。鉄鋼メーカーも高炉の増設はないが生産性の増強をしていただいているので、タイトな状況は続くが不足することはなく、お客様に迷惑をかけることはないと思っている。
- 鉄鋼価格は、鉄鋼メーカーと自動車メーカーの両方が努力して、どこまでコストアップを吸収できるかがこれからの焦点になると思う。
人民元の切り上げによる日本の自動車メーカーへの影響ついて
- 元はドルに対しある狭い幅で運営されていて、切り上げというのはその幅を拡げることだと思うが、切り上げになった場合に他の通貨との関係がどうなるかが予測できない。
- 単純に、中国の通貨が高くなって日本の円がそのままであれば、日本から輸出しやすくなるわけだが、そう単純なことにはならない。
- 最大の防衛策は現地で作ること。各社ともその方向に向かっており、いま中国で作っているクルマの大部分は中国のお客様に買ってもらっている。
- 通貨というのは、長い間管理するのは不自然。自然に競争力によって変わってくるものだと思う。
反日デモの中国市場への影響
- 自動車については影響は出ていない。上海モーターショーは平穏に終了し、日本車の売り上げも落ちていない。
- ただ中国市場の成長のスピードは、だんだん落ちてきて、安定に向かうだろう。
中国での鋼材調達について
- その国で調達できるもので競争力のあるクルマを作ることが自動車メーカーの命題だが、一部中国で調達できない鋼材があり、それは日本から輸入している。
リコール問題について
- 国交省からいただいているいろいろなご指導を確実に実行すると同時に、お客様にとってどのようなリコール制度がよいのかという検討を続けていきたい。
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