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会長会見 2005年02月17日
(小枝会長)
春季労使交渉について
- ベアを要求しない組合も多く、交渉の中心は賞与に絞られるのではないか。
- 組合は会社にとって重要なパートナーであるので、賃金の交渉だけではなく、企業のあるべき方向や経営課題、安全衛生問題、職場環境問題等のほか、従業員が会社に何を期待しているか等も話し合いたいと思う。また社会保障制度等についても議論する場になるのではないか。
- 日本の賞与を含めた賃金は国際的に見て低くはないと思っており、賃金水準を一律に上げるのは難しいと思う。
鋼材価格・価格転嫁について
- 価格交渉は各社別々に行っているのでわからないが、交渉はこれからという状況ではないか。
- 日本はまだデフレから脱しておらず、ある日突然材料費が上がったから(車の価格を)何万円上げますというのは通らない。何とか自動車メーカー、部品メーカー、材料メーカーの努力で吸収したい。
鋼材供給について
- 価格交渉とは別に、供給がタイトということで、鉄鋼メーカー、部品メーカー、自動車メーカーが一緒になって、効率的な鋼材の使い方や供給の仕方について協力している。
自動車メーカーのトップ人事について
- 詳しくコメントする立場にないが、三菱さんは新しい体制で新しい計画を発表されたので、おおいに期待している。トヨタさんは、新しい体制で自動車業界のリーダーとしてますます力を発揮していただきたい。
M&Aについて
- 企業の独立性を保つための対策を、日頃からいろいろと考えておかなければならないと思う。
温暖化対策について
- 運輸部門の(削減目標の)3分の1強が自動車単体の燃費向上になるが、各社ともマイルストーンを超えるスピードで進んでおり、達成できるつもりで頑張っている。
- 交通流や物流対策について、自動車業界としてできるだけ協力していく。
- 自動車メーカーや部品メーカーは物流の大きな依頼主になるが、荷主の依頼の仕方でトラックの稼働率が変わってくる。また鉄道や船との組み合わせなど、各社とも真剣に対策をやっている。
- 燃費は国民一人ひとりの運転の仕方でおおいに変わり、例えばクルマのトランクを倉庫代わりに使うと燃費がかなり悪くなる。こういうことをできる限りPRする等して協力したいと思う。
環境税について
- 昨年出てきた案では効果がないということで、我々は反対を表明した。ガソリンの値段を上げると使用量が減るというが、(環境税として)1.5円上げてもガソリンスタンドによる値段のばらつきのほうが大きいので、使用量は減らない。
- 自動車税制は自分がいくら負担しているかわからないくらい複雑。それをシンプルにする議論の過程において、環境に一番良い税制のやり方について議論をするときには我々も加わって議論したい。
車検有効期間延長について
- (国交省の検討会の)調査結果によると、不具合や死傷者が増えるということなので、反対を表明した。
- 自家用乗用車の定期点検実施率は43%であり、半分以上の人が定期点検をしていない。この状況では事故が増える可能性があるのではないかということで、反対した。
定年延長について
- 働く側の考え方が非常にバラけてきており、私としては定年を一律に延長するのはいかがなものかと思っている。
- 60歳を過ぎると、身体的な条件や働く意欲等にだんだんばらつきが出てくる。また女性の能力をより活用するのも大事なテーマのひとつ。いろいろな働き方が認められる社会にするために、いろんな議論をすると、いろいろな良い方法が広まっていくのではないか。そのほうが一律に定年を延ばすより社会の実情に合っていると思う。
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