JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2002年02月21日

(奥田会長)

次期自工会会長について

  • 内々に次期会長はホンダ・宗国さんがされるという話は聞いていた。
  • 自工会の場では、3月20日の理事会でホンダから推薦、それを了承後、5月16日の総会で最終的に選任することになると思う。
  • 次期自工会会長に対しては、自動車産業は重厚長大等と言われながらも現実に日本を支えているのは事実であるから、自動車産業が日本の社会あるいは国際経済の中で育っていけるように自動車産業を指導していただきたいと思っている。

日米問題について

  • ブッシュ米大統領来日の際、朝食とディナーに出席したが、大統領から自動車に関する要望は一切なかったし、元米国自動車工業会カード専務理事からも何の話もなかった。
  • 今回の出席者が経済関係の閣僚ではなかったので、自動車については何もないだろうという感じていた。
  • 円安により日本の輸出が増え、あちこちで貿易バランスを黒字にして、相手国の経済に悪い影響を与えることはないのではないか。むしろ最近の日本の動向を見ると、貿易黒字の幅が狭まっており悪くすると逆転しかねない数字なので、日本もある程度輸出していかないと困るという事態なのではないか。
  • 米自動車市場でビッグ3以外のメーカーが30%以上のシェアを占めると、ビッグ3から必ず反応が出るというのは従来からあったパターン。現在の外国勢の米自動車市場のシェアは30%を大きく越えているので、ビッグ3がブッシュ大統領にいろいろお願いをしたことは理解できないことではない。
  • 我々としては、政府レベルの問題にならないうちに民間サイドで話し合い、地ならしをしておきたい。20年前の摩擦再燃という危機感を日本側は持っている。
  • 日米の自動車メーカーのトップ同士が、米国がどういう事情にあり何を欲しているかを話し合うことが非常に大事。
  • ただ、日米の会社間のアライアンスがいろいろ出来ているので、以前のようにお互いに角をつき合わせてやりあう場面はないのではないか。
  • トップ会談の具体的な日程は決まっていないが、アメリカには頻繁に行くので、それを利用してトップ会談するチャンスはいくらでも作れる。
  • こちら側としては、ヨーロッパ車が日本の市場でシェアを伸ばしアメリカ車のシェアが伸びないことについて、アメリカ車は日本への輸出を意識したクルマ作りをやらなければ日本ではなかなか売れないということを強調したい。

春闘について

  • 現在の自動車産業がおかれている状況を踏まえればベアは要求すべきではない。
  • 定期昇給曲線によって給料が上がるのであるから、それでいいのではないか。
  • 企業の業績の良し悪しは、賞与や一時金に反映すればよい。

装置リコール制度について

  • 自工会もパブリックコメントを出した。内容は、(1)装置リコール制度は、部品メーカー等関係者が多いことから、それらの意見を聞いて検討を進めてもらいたい、(2)リコール判断基準については、第三者、有識者を入れて1年を目途に検討していただきたい。

スモールカー市場について

  • 国土の狭さや道路の貧弱さから、軽や軽に近い小型車の比重が今後増すと思う。
  • 小さなクルマで非常に性能の良いものがどんどん出てきているので、景気動向に関係なく、小さなクルマに移っていくのは必然的な流れではないか。

以 上