JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2004年09月16日

(小枝会長)

原油価格について

  • 少し安定してきていると思うが、当面は高止まりで推移するのではないか。
  • 車の販売にどの程度影響が出てくるのかよくわからないが、長期的な傾向になれば懸念材料になると思う。

国内自動車市場について

  • 8月の新車販売が全体で2.3%増と5ヵ月ぶりにプラスに転じたが、これは新車投入効果によるものと思われる。
  • 国内自動車市場は、この先の需要を喚起するには各社が魅力ある車を提供する努力を行っていくことが必要だと思う。
  • 9月以降も各社が新車投入を計画しているので、当初の見通しである590万台を達成できる。

平成17年度税制改正要望について

  • 従来から一貫して主張してきたのは、自動車ユーザーの税負担が過重であると言うことと、シンプルな制度にして欲しいということ。
  • 納税は国民としての義務だが、負担する以上は自動車ユーザーが理解できるような税制度にしていただきたい。

自動車用鋼板価格値上げについて

  • 原材料の値上げを転嫁できる状況ではなく、業務の効率化などそれぞれの企業が努力していくことでカバーするしかないと思う。

FTAについて

  • メキシコとのFTAが正式調印されるに至ったことは高く評価したい。
  • FTAは双方にとってメリットがあるということが重要。メキシコは主要市場の米国や将来性のある南米市場に対して好都合なロケーションに位置しており、今回の調印は将来のメキシコへの投資に良い影響を与えると思う。
  • アセアンとのFTA交渉において、自動車と自動車部品が議論から外されることは受け入れられない。

米国大統領選挙と日米通商問題への懸念について

  • 以前、日米貿易摩擦が起きたときの状況とは違っており、論理的には影響はないと思うが、政治的な影響は推測できない。
  • 日本の自動車メーカーは米国の産業に寄与しており、また、公正なビジネスを行っているので、問題が起こる可能性はないと思う。

リコール問題について

  • リコール制度については、従来からお客様の安全を第一と考え、不具合が発生した場合、前びろに発表し、鋭意対応措置していることをお客様にもご理解いただけていると感じている。
  • リコールでもう一つ大切なことは、リコール対象となった車両をいかに短期間で把握し、処置するかということである。各社とも対象車両を徹底的に追跡するなど、リコール実施率を上げる努力をしている。