JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2004年05月20日

(小枝会長)

就任挨拶

  • 自動車業界は内外の経済の発展に貢献しており、期待と注目度は高いものがある。環境問題への対応やより安全なクルマ作りといった社会的責任を果たすことも求められている。
  • 会員会社でリコールに関する問題が発生したことは大変残念。本日行われた総会で、今後同じようなことが二度と繰り返されないよう、更なる品質維持・確保および法遵守による適正な対応に取り組んでいただきたい旨、会員各社に強くお願いしたところ。
  • 「お客様や社会にとって役立つことは何か」を常に念頭において活動していきたい。

自工会活動の重点分野について

  • テーマとしては事業計画のとおりだが、これから先10年後20年後、自動車は果たして有用であるか、世界中のお客様から自動車が必要だと言われるようにするにはどういう努力を続けていけばよいか、を念頭において活動したい。

三菱(三菱ふそう)のリコール問題について

  • 今回の件で業界全体の信頼が若干でも揺らぐのではないかと危惧している。1社固有の問題と考えているが、適切な対策を早く取られて、一日も早くお客様の信頼を取り戻されることを大変強く期待している。
  • ペナルティについては、自工会活動にペナルティという考え方があるかどうかということもあるし、三菱(三菱ふそう)は今回の件で社会的に非常に厳しいペナルティを受けていると思う。
  • 先ほどの総会で、三菱から自工会副会長職を当面の間辞退したいという申し出があり、これを了解した。
  • 不具合があればそれを見つけて早く対策してお客様を安心させるのはメーカーの責任であり、国土交通省の責任ではないと思う。
  • 他社についても、あらためて適切に処理しているかどうか再度見直して、お客様の信頼を繋ぎ止めたい。

素材価格の上昇について

  • 原油価格や原材料価格が上がっているが、日本の社会状況や景気状況からいって、それを価格に転嫁できる状況にはない。

国内経済状況と国内市場について

  • 諸製品の輸出が増えたことにより産業全体で設備投資が増え、景気全体は少し上向いている。雇用も改善しつつある。
  • 今年は個人消費が上向いてくると期待しており、また各社がより競争力の高いクルマを出すと聞いているので、少しでも自動車の需要を増やしていきたい。

自動車関連税制・環境税について

  • 少し簡素化してほしい、いろいろな税金がたくさんありすぎて非常にわかりにくい、と毎年PRしている。実際に税金を支払っているお客様にもっとご理解いただいたほうがよい。
  • 環境税については、個人的には、いろいろ税金を払っていることもあり自動車には必要ないのではないかと思う。

中国のWTO加盟に関する輸入枠について

  • いま中国政府は新しい政策を出そうとしており、いろいろ不合理な点もあるが改善していることも事実。
  • 不合理な点は指摘するが改善したことも評価しながら、中国のユーザーにとって何が一番良いのかという点から意見を言っていきたい。

ガソリン価格の上昇による米国市場への影響について

  • 原油の価格が上がっているのは事実だが、3年や5年といった長期のトレンドで見た場合、どっちに向くのかはわからない。
  • 北米は需要が非常にステディであり、毎年クルマを必要になる方が増えている国なので、今年の需要は安定的に推移すると推測している。