JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2006年04月07日

平成17年度二輪車市場動向調査の概要

1.市場調査活動について

二輪車市場の変化を捉えるため、隔年毎にアンケート調査を行っている。

2.平成17年度調査設計の概要

調査地域 全国
調査対象 新車購入ユーザー
有効回収数 5,628サンプル
(回収率:52.5%)
調査実施期間 平成17年8月〜9月

3.今回調査の特徴

●新車購入ユーザー調査

  • 性年代別では男女ともに「10代のユーザー」「20代のユーザー」の比率が時系列で減少、「50代以上」ユーザーが増加、全体として高齢化が進んでいる。
  • 需要形態は、「代替」が55%と半数以上を占め、「新規購入」は時系列で減少傾向にある。
  • 購入車種の決定ポイントは、「スタイル・デザイン」「価格の安さ」を最重視している人が多い。「扱いやすさ」の重視は35%で、前回に比べ3ポイント増加している。
  • 使用用途は、「通勤・通学」が51%と半数を超えている。次いで、「買物・用足し」(29%)の割合が高く、二輪車が日常の交通手段として利用されている点に変化は見られない。
  • 月間走行距離は「平均270km」で、前回に比べ+20kmと長くなっている。
  • 今後も二輪車に乗り続けたいという人は87%で、多くの人が継続乗車意向を示しているが、前回に比べ5ポイント減少している。
  • 環境変化時の継続乗車意向は、「駐車スペースがなくなった時」「経済的に余裕がなくなった時」には二輪車の保有を中止するという人が4割前後見られる。

●二輪車の市場環境の変化に関する調査

  • 二輪車の市場環境の変化に関するユーザーの認知度は、高速道路二人乗り解禁が72%、二輪車のリサイクルは50%、AT限定の免許制度新設は46%となっている。
  • 高速道路二人乗り解禁認知者の57%は、「高速道路二人乗り走行は良いと思う」と、賛意を示している。

●トピック調査(世代間の動向分析)
世代によってどのように二輪車に対する感覚が違うのか、また、今後の二輪車市場に与える影響等を把握するため、「コウホート分析」*1という手法を用い分析した。更に、デプスインタビュー*2により、コウホート分析で特徴のあった世代にフォーカスをあて深掘りした。

(1)コウホート分析

  • 1969年生まれ以前の世代と1970年以降の世代を境に二輪車に対する価値観の違いが見られた。
  • 特に、1965〜69年生まれ(現在37〜41歳)と1975〜79年生まれ(現在27〜31歳)の世代に顕著な特徴が見られた。
  • 1965〜69年生まれ(現在37〜41歳)の特徴は、ツーリング好きであり、出足・加速、最高速度を求めている。
  • 1975〜79年生まれ(現在27〜31歳)の特徴は、二輪車を「カッコいい」ものととらえている。

(2)デプスインタビュー

  • 1965〜69年生まれ(現在37〜41歳)の特徴は、スピード面を重視したり、サブカルチャーの影響による二輪車の選択観。ツーリングで速さを体感。
  • 1975〜79年生まれ(現在27〜31歳)の特徴は、デザインなどの外観を重視して選択。カッコよく乗って自分自身の楽しみとしている。

*1 コウホート分析とは、ある意見の時系列変化が、「年齢(加齢)」による変化なのか、「時代」による変化なのか、「世代」に固有なものなのかを分解し、構造的にこれらの3要素がどの程度関わっているかを分析しようとするもの。

【1】年齢効果:年をとることによって影響が現れること。
【2】時代効果:特定の世代や年齢層にかかわらず、消費者全体がある時代に同じ方向に変化していく影響を指している。
【3】世代効果:同じ時期に生まれ、共通の社会環境のもとで育ってきた人間集団に固有の特徴をいう。これは、生まれ育った時代環境の異なる世代毎に意見が異なることを意味する。

*2 デプスインタビューとは、対象者から詳細な聞き取りを行ない、特定のテーマについてより深く掘り下げたり、深層心理を探るものをいう。

以 上