JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2006年03月01日

世界の自動車メーカー首脳、地球規模の問題に取り組む(仮訳)

スイス、ジュネーブ、2006年2月28日 世界の道路安全向上のために全ての利害関係者と共に一層の努力を重ねる事を確約する;世界燃料規則が必要である;自動車と自動車部品の模倣品と闘うための共同戦線を模索する−これは今日ジュネーブに集まった世界の自動車メーカー首脳が決議した主要課題の一部である。首脳会議では、環境、道路安全、知的財産権の問題をめぐって、世界の公共政策の業界としての優先事項について協議がなされた。

世界の主要な自動車メーカーの首脳と欧州自動車工業会(ACEA)、米国自動車工業会(AAM)、日本自動車工業会(JAMA)の代表が参加した。この会議、第4回グローバルミーティングはジュネーブ・オートショーと共に開かれたが、パリ(2002年9月)、東京(2003年10月)、デトロイト(2005年1月)に続く開催であった。

フィアット自動車のCEO、Sergio Marchionne氏を議長として、集まった世界の自動車業界首脳は、第1回グローバルミーティング以来の進展と、今後関心を集中すべき問題を話し合った。そして、次の点で意見の一致を見た。自動車メーカーは世界全体に安全でもっとクリーンな自動車を提供するという点でたゆまぬ進歩を続けなければならない。それと同時に、安全、環境、知的財産権という主要問題の解決に向けて前進するために、政府、消費者、およびその他の利害関係者との生産的なパートナーシップを築かなければならない。

今日の会議で、参加した世界の自動車メーカーの首脳達は以下の公共政策課題について協議した。

世界の道路安全

道路安全は、相変わらず、世界中で最も緊急性の高い社会問題である。世界保健機構によれば、毎年世界全体で道路交通事故により120万人が死亡し、2千万から5千万人が負傷している。道路事故死亡総数の90%が開発途上国で発生している。この損失とそれがもたらす社会コスト(年間650億米ドル)は、開発途上世界の発展を阻害し貧困を永続させる要因になっている。今日では、安全ベルト装備の規制の有無にかかわらず、世界で生産されるほぼ全ての乗用車に安全ベルトが装備されている。世界レベルで道路安全を向上させるために公共部門と民間部門の全関係者と協力する努力の一環として、この協定に参加する自動車メーカーは、遅くとも2008年7月までに安全ベルトを装備するか、(もしくはそれ以降)、次に車両を設計(新型車)、または再設計(フルモデルチェンジ)する時に、残りの車両に安全ベルトを装備することに合意した1。安全ベルトは当然ながら適正に使用される限り最も効果的な安全装置の一つであることが証明されているため、これによって、とりわけ急速なモータリゼーションが進行中の開発途上国において、道路安全が大幅に促進されるはずである。

この協定に参加する車両メーカーは、安全ベルト着用に関する法律の採択と効果的な執行を促進するために政府と協力することを含めて、世界道路安全パートナーシップ(GRSP)2などの道路安全への総合アプローチを支援するイニシアティブに個別にまたは集団的に取り組むことで合意した。

  1. 当該車両の設計と生産がメーカーの管理下に置かれており、当該車両が単一段階で製造される場合に、世界の全地域で販売するために製造されるGVWRが3,500 kg(7.716ポンド)以下の車両(特殊目的車両を含む)に適用される。折り畳み式シートおよび補助用のシートは除く。
  2. 世界道路安全パートナーシップ(GRSP)は、開発途上国における道路安全に取り組むためのより効果的かつ革新的な方法を模索している。GRSPは、世界全体の道路安全条件を向上させるために協力する企業と市民社会および政府組織の間の世界的組織である。GRSPのパートナーは道路安全に総合的に取り組むことによって、道路安全活動に協力し、それを調整する。

世界燃料規則

エミッション要件がますます厳しくなるにつれて、市場燃料品質と新しい車両エミッション技術の導入との関連がますます重要になってきた。多くの開発途上国は現在、自動車エミッション規制プログラムについて議論の段階であるが、中には既に意欲的なプログラムを実施している国もある。しかし、残念なことに、市場燃料品質の問題は通常、プログラムの施策を決定するときに考慮に入れられていない。これは、世界的な自動車技術規則の確立に向けて進められている努力と並行して、世界的な燃料規則を目指す作業が必要であることを浮き彫りにしている。出席者は、国連がこの問題を優先すべきであること、および今後の燃料規則はガソリンに対しても、ディーゼル燃料に対しても、まず硫黄の規制値の厳格化に焦点を合わせるべきであるという点で、意見の一致を見た。また、他の燃料特性の調和化に関してより包括的な討論を行うことを支持した。世界燃料憲章がこの作業の基盤を提供すべきである。

知的財産権

知的財産の尊重は、権利者の利益を守るのみならず、社会の発展を支え、消費者の利益を守るものであるにもかかわらず、模倣品は世界規模で急増しており、早急な対策が必要な状況に直面している。しかしながら、この問題は、途上国を中心とする政府当局においては、優先度の高い政策課題とされていないうえ、社会一般にもその認知度は低い。

出席者は、i)今まで以上に、自動車製品の模倣品との闘いを優先課題にするように各国政府に働きかけること、及び、ii)消費者等に低品質の多くの模倣品が、健康・安全に重大な影響を及ぼす可能性があるという事実を認知させることが、知財の保護と執行のために効果的な対策であるという点で、意見の一致を見た。

また、地球規模での模倣品に対して効率的に対処するため、三極合同の知的財産作業グループを存続させ、組織的な行動と情報共有を主体とした、グローバルで実施可能な模倣品問題に対する特別な対策を検討させることに合意した。

次回の会議

2007年に日本で開催される、第5回グローバルミーティングを主催するJAMAを代表して、会長、日産自動車株式会社取締役共同会長小枝至氏より招待の言葉が述べられた。

連絡先:
ACEA Alfredo Filippone +32 2 738 73 45
ALLIANCE Gloria Bergquist +1 202 326 5522
JAMA Takehisa Yamakawa +81 3 5405 6126