JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2005年04月18日

自動車用ディーゼルエンジンオイル「DH-2」「DL-1」の規格化に伴う運用マニュアル改訂について

(社)自動車技術会(以下、自技会)は、4月11日付で、ディーゼルエンジンオイルの品質に関する規格を改訂し、トラック・バス用エンジンオイル「DH-2」および乗用車クラス用エンジンオイル「DL-1」の2種類を追加した(規格名『自動車用ディーゼル機関潤滑油(JASO注1 M355:2005)』)。
これに伴い、(社)日本自動車工業会(以下、自工会)や石油連盟等で構成するJASOエンジン油規格普及促進協議会注2(以下、協議会)は、今般、同規格の運用マニュアルを改訂した(マニュアル名『自動車用ディーゼル機関潤滑油(JASO M355:2005)の運用マニュアル』)。

「DH-2」「DL-1」規格化の経緯
自動車業界はこれまで、ディーゼル車の排出ガス浄化のため、燃料噴射システム、冷却式排出ガス再循環装置(クールドEGR)等のエンジン本体の改善に加えて、ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)や触媒等を用いた後処理システムの開発を進め、排出ガス新短期規制値よりも大幅にPMを低減したディーゼル車を自主的に市場導入してきた。

こうした動向の中、自工会と石油連盟は2003年4月に、DPFを装着した新短期以降の規制に適合した新型ディーゼル車を対象に、ディーゼルエンジン本体の潤滑だけでなくDPFへの適合性も考慮したエンジンオイル品質ガイドラインとして、トラック・バス用「DH-2」ガイドライン、乗用車クラス用「DL-1」ガイドラインを設定した。「DH-2」「DL-1」では、従来のディーゼルエンジンオイル品質規格「DH-1」で要求されているエンジン清浄性、摩耗防止性等のエンジン本体への要求性能に加え、DPFの詰まりの原因となる燃焼残渣物(灰分)と、触媒性能を損なう懸念のある成分の低減などを求めている。

そして今般、自技会は、同ガイドラインをもとに、『自動車用ディーゼル機関潤滑油(JASO M355:2005)』として規格化した。

運用マニュアルの改訂
これを受け協議会は、この規格を適正に運用するためのマニュアルを改訂した(『自動車用ディーゼル機関潤滑油(JASO M355:2005)の運用マニュアル』)。この運用マニュアルは、消費者がディーゼルエンジンオイルを購入する際の最適な選択基準となるオイル缶等への表示を適正に行うことを目的に、オイル販売元がオイル缶等にJASOのオイル種を表示するために必要な手続きを定めたものである。運用マニュアルでは従来、「DH-1」だけが対象となっていたが、今般の改訂により「DH-2」および「DL-1」も対象として追加された。

これにより、エンジンオイルの販売元は協議会に届け出ることによって、「DH-2」、「DL-1」についても、従来の「DH-1」と同様、自己認証制度注3を利用できるようになる。協議会は2005年8月1日より受け付けを開始し、エンジンオイル販売元は2005年10月1日より、オイル缶等に「DH-2」「DL-1」の種類表示をすることができる(以下参照)。マニュアル本文は、(社)潤滑油協会のホームページ(http://www.jalos.or.jp/index.htm)に掲載する。

〔「DH-2」「DL-1」種類表示〕
「DH-2」「DL-1」種類表示

注1:JASO:Japan Automobile Standard Organization.日本自動車規格。(社)自動車技術会が定める自動車規格。

注2:JASOエンジン油規格普及促進協議会:日本国において自動車用エンジン油にかかわる各種業界団体および学術団体等が、JASOエンジン油規格の国内外での適正な普及を図るためにボランタリーに設立した協議体。自工会、石油連盟、(社)自動車技術会、(社)日本陸用内燃機関協会、(社)潤滑油協会、(社)日本舟艇工業会の6団体と、その他の関連企業(添加剤会社4社)で構成される。

注3:自己認証制度は、協議会の活動の一環として、(社)自動車技術会が制定した規格『自動車用ディーゼル機関潤滑油 (JASO M 355:2005)』に基づき、エンジンオイル販売元等がこれに該当する製品を協議会に届け出てオンファイル(登録)するための手続きを定めたものであり、協議会が性能認証や表示の許認可を行うものではない。

以 上