JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2002年03月29日

平成13年度乗用車および二輪車市場動向調査について

(社)日本自動車工業会は、平成13年度に実施した乗用車市場動向調査および二輪車市場動向調査の調査結果をまとめた。

■市場調査活動について

<乗用車>
 調査部会・市場調査乗用車分科会では、乗用車の需要構造を明らかにし、需要の質的変化の見通しに役立てるため、全国の世帯に対して、隔年毎に乗用車のアンケート調査を行っている。また、アンケート調査実施年度の次年度は、テーマを決め、アンケート調査結果に基づく分析調査を行っている。今年度は、アンケート調査の年に当たる。
<二輪車>
 調査部会・二輪車分科会では、二輪車市場の変化を捉えるため、隔年毎にアンケート調査を行っている。

※報告書は一般向けに配付。

■平成13年度調査設計の概要

  乗用車 二輪車
 
調査地域 全国(沖縄を除く)  
調査対象 単身世帯を含む一般世帯 全国
新車購入ユーザー
有効回収数 5,447S
(回収率:75.7%)
<新車購入ユーザー調査>
5,434S(回収率:53.2%)
<トピックス調査>
ストリートモデル調査:436S
盗難に関する調査:302S
調査実施期間 平成13年8月20日〜9月4日 平成13年8月〜9月

* 二輪車の盗難に関する調査は、調査会社が保有するパネル(定期的に調査に協力する固定された対象者)から抽出、それ以外は各社顧客リストからの抽出。

■今回調査の特徴

平成13年度乗用車市場動向調査

● 最近の市場動向の変化(前回調査結果→今回調査結果)

  • 全国乗用車世帯保有率は微増。(78.6%→79.0%)
  • 世帯保有車は、RV系(25.3%→35.9%)や軽乗用車(17.1%→19.3%)が増加。
  • 主運転者では、女性比率(33%→35%)とシニア世代比率(15%→18%)が増加。
  • “複数保有化”は、引き続き緩やかに進展(37.3%→38.0%)、「1台はRV系」が増加傾向。(50.4%→56.5%)
  • 前保有車の使用期間は徐々に長期化している。(平均6.1年)
  • 新車中古車比率では、中古車が若干増加。(26%→28%)
  • 平均購入価格は低下したままの水準を継続しているなどの、ユーザーの経済性志向が鮮明化している。(平均215.2万円)

● クルマ市場をめぐる環境の変化

  • ユーザーの安全性志向は一段と高まっている。
  • コスト負荷を伴う環境対策車への志向は若干低下している。
  • 「福祉車両」の認知率は高く、要介護世帯では潜在ニーズが大きい。
  • ITSやインターネットでの情報収集等、今後の利用は増加傾向にある。

● 顧客の変化

  • シルバー層(60歳代)では、定年退職を契機としたライフスタイル・収入の変化が大きく、車選択では、スモール化とRV化が進展している。
  • 10年後には60歳代となる“団塊世代”では、現在の60歳以上にRV化が進む可能性がある。
  • 車の生産国イメージでは、アジア製は「価格が安い」「経済的」というイメージが強いが、特に24歳以下の若年層では、「個性的」「関心がある」「親しみがある」等のプラスイメージが若干見られた。

● 市場構造の変化

  • 中古車市場の堅調は、RV系の品揃え、低価格化、販売努力、ユーザーの価値観変化などのニーズに応えられるようになったことが大きい。
  • セダン系からRV系への移行は、30歳代子育てユーザーが顕著であり、「多目的性」「家族でゆったりできる」「荷室の使い勝手」といったRV機能が重視されている。
  • セダン系、RV系共に、近年では排気量のスモール化が進んでいる。

平成13年度二輪車市場動向調査

●新車購入ユーザー調査(前回調査結果→今回調査結果)

  • 新規購入は、ストリートモデルユーザーの新規参入などにより増加。(24%→27%)
  • 今後も二輪車に乗りたいと回答したユーザーは減少。(93%→86%)
  • 平均使用年数は、年々長期化。(94年度調査:4.1年→5.9年)
  • 代替需要は減少。(59%→52%)
    ⇒以上の実態から一部モデルで新規購入が増加しているものの、長引く景気低迷に使用年数が長期化し、代替需要が出現せず、全体の需要増加に結びついてこないことが明らかになった。

●トピックス調査

1) 軽二輪車ストリートモデル・ユーザー調査

  • 国内市場が減少傾向にある中、近年、唯一伸びている軽二輪車市場の中心的モデルであるストリートモデルのユーザー属性、需要構造、購入・使用実態を調査した。
    ⇒ストリートモデルのマーケットが拡大した背景は、二輪車をファッション感覚でとらえている新感覚の20代の若者を中心に、新規ユーザーを広く創出し、これが軽二輪車のマーケット拡大につながっていると考えられる。

2) 二輪車盗難に関する実態調査

  • 二輪車の盗難被害は、年間25万台と推定される。(平成12年度)
    [出典:警察庁犯罪統計書(平成12年度版)]
  • 今回調査で、被害者ユーザーの75%(推定21.8万台)は買い替えを断念していることが明らかになった。
    ⇒買い替えを断念したユーザーを再度購入へ向ける為のサポート体制を業界全体で取り組み、需要の活性化を図る必要性があると考えられる。

以 上