JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2004年04月07日

OICAリリース仮訳

2004年ワールド・ヘルス・デイ
道路交通安全は偶然の賜物ではない
自動車産業の貢献

国際自動車工業連合会(OICA)により代表される世界の自動車産業は、長年にわたり、道路交通安全の向上に貢献している。このため、OICAは、2004年ワールド・ヘルス・デイで道路交通安全が取り上げられることを歓迎する。

先進国市場においては、ここ数年にわたり、自動車保有台数が増加しているにもかかわらず、交通事故死者数が持続的に減少している。これは、現代の自動車が、一次的な安全性能といわれるアクティブ・セイフティ(自動車の事故回避能力)においても、また、二次的な安全性能といわれるパッシブ・セイフティ(事故の際の道路ユーザー保護)においても、これまでにない安全性のレベルに今や到達していることを示すものである。

先進国では1980年比で交通事故死者が30%減少しているが、この死者減少に自動車産業の革新技術が貢献していることは明らかである。

自動車メーカーは、これまでになく安全な製品を市場に供給するという決意を明瞭にもっており、さらなる製品の安全性改善のためにR&D(研究・開発)に巨額の投資を継続して行っており、最も優れた専門知識の蓄積を続けている。

OICAは、その技術委員会および複数の専門家グループを通じ、国連の「自動車基準調和世界フォーラム」(WP29)において、自動車の技術基準策定に積極的に参加している。世界の自動車産業の公式代表であるOICAは、その専門知識を提示することで、世界的な調和の枠組みの中で、費用対効果を考慮しつつ、より高い安全性を確保する基準策定に貢献している。

国際的枠組みの中で国際基準調和が進むことにより、自動車が世界レベルの基本スペックを満たし、必要な安全装置が装備されることが、世界レベルの道路交通安全にも寄与することは明白である。

たとえば、歩行者保護に対する世界レベルの法規策定が現在すすめられている。このような法規ができれば、自動車の前部構造は、事故時の歩行者の傷害を軽減するようなデザインとなる。世界の自動車産業は、この法規の策定に積極的に参画・貢献するとともに、更なるアクティブセーフティ(事故回避)手法の開発にも積極的に取り組んでいる。

一方、道路交通安全には3つの主要な要素(ピラー)がある。すなわち、自動車、道路利用者、インフラである。自動車産業は自らの役割を完全に果たす強い決意をもっているが、他の利害関係者も、道路交通安全に全面的に取り組む上で非常に重要な役割を担っている。道路の建設とメンテナンスは、国際的なベスト・プラクティス(成功例)を見習うべきであり、そうすることにより同時に「ブラック・スポット(事故多発地点)」を減少させるべきである。また、交通規則は、できるかぎり公衆の意見に基づき策定・遵守されるべきであり、さらに啓発キャンペーンや実施キャンペーンによってフォローされるべきである。

全ての利害関係者の努力が互いにつながることによってのみ、さらなる道路交通安全が実現できるのであり、持続可能なモビリティ(移動の自由)が引き続き享受できるのである。

 

以 上