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ニュースリリース- 2014年04月10日

2013年度二輪車市場動向調査の概要

1.調査設計
(1)新車購入ユーザー調査

調査手法 郵送調査法
調査地域 全国
調査対象 2012年6月〜2013年5月に新車を購入した二輪車ユーザー
対象者抽出 調査応諾者より、タイプ別、排気量別に対象者を割当し抽出
但し、輸入車は日本自動車輸入組合を通じ6社のインポーターから調査票を発送
調査期間 2013年8月〜9月
回収数 10,415人に調査票を発送し、5,669人から回収(回収率54.4%)

(2)トピック調査

  1. 一般市民調査(日本リサーチセンターオムニバスサーベイ)
    • 全国100地点を層化二段無作為抽出し、1,200人を回収する訪問留置き調査
    • 2013年10月1日〜15日および11月1日〜15日の2期間で調査を実施し、計2,400sを回収
  2. インターネット調査
     A.免許保有二輪非保有者:小型二輪以上の免許取者のうち、一度も二輪を所有したことがない人
     B.中古二輪車保有者:現在中古二輪を保有しており、次期購入意向がある人
     C.新車二輪車購入後3年以上経過:新車二輪購入後3年以上が経過し、次期購入意向がある人
     2013年10月11日〜18日に調査を実施し、A:120s、B:121s、C:120sを回収
  3. 親子郵送調査(協力者は日本リサーチセンターサイバーパネルで募集)
    • 中学3年生〜高校3年生相当の年齢の子どもを持つ親とその子に別々に調査票を郵送
    • 2013年10月15日〜31日で調査を実施し、親子514組のサンプルを回収
  4. 各対象者への聴取項目
      三ない運動関連 国際基準調和関連 消費税関連
    新規購入ユーザー調査  
    一般市民調査    
    免許保有二輪非保有 有望層として今後の所有意向を把握
    中古車二輪ユーザー  
    新車購入後3年以上経過ユーザー  
    親子調査    

 

 

2.新車購入ユーザー(時系列)調査結果

(1)二輪車新ユーザー特性

  • 性年代別でみると、男性は「10代」「20代」「30代」の比率が年々減少している。女性は09年度以降横ばいが続いているものの、50代以上は60%を超えた。タイプ・排気量別では、スクーター、ビジネスの50cc以下で50代以上の占める割合の上昇傾向はさらに顕著になっている。
  • 免許保有パターンでみると、「普通二輪免許限定なし」が前回調査に比べて11ポイント上昇し、「大型二輪」を上回った。
  • 二輪車の世帯保有台数は、「1台」が58%と、前回調査より11ポイント減少し、複数所有は07年の状況に戻った。しかし、平均保有台数は「1.6台」で前回調査(1.5台)から微増し、複数所有者の所有台数が増加している様子がうかがえる。

(2)タンデム走行、高速道路走行の経験

  • タンデム走行は、51cc以上保有ユーザーの36%が経験し、減少傾向が続いている。タイプ別でみると、スクーターで44%、排気量別では251〜400ccを除く層で35%以上と経験者が多かった。
  • 高速道路走行は、126cc以上保有ユーザーの69%が経験し、前回調査(71%)から微減しているものの、ほぼ同水準である。タイプ別ではオンロード、排気量別では排気量が大きいほど経験している率が顕著に高い。

(3) 高速道路利用の理由と改善要望

  • 高速道路の利用理由として最も高いのは「目的地に早く着ける」で、85%を占める。大排気量所有者では、高速走行そのものを楽しんだり、安全性や疲労減少のために利用する傾向もみられ、高速道路を利用して長距離の移動を楽しんでいる様子がうかがえる。
  • 高速道路での走行について改善してほしいことは、「高速料金を安くしてほしい」が全体で46%と最も高く、高速道路利用頻度が高い大排気量層では80%以上を占める。また、「SAでの停車場所を増やして欲しい」も高速道路利用頻度が高い層ほど要望が高い。
    今回「高速道路料金が普通車の半額になった場合の利用変化」を聞いたところ、タイプ別でみると、オンロード、オフロード、排気量別では大排気量層ほど「利用頻度や距離が延びる」の割合が顕著に高く、頻度では126cc以上では80%以上が、距離では401cc以上の70%以上が「増える」「延びる」と回答している。

(4)需要構造の変化

二輪車の購入形態は、「代替」が61%で、購入形態の中心になっている。「新規購入」は年々減少傾向にあり、その分「代替」が増加しており、「増車」は横ばい、「一時中断・再度購入」は微増傾向である。

(5)直前使用車の状況

  • 買い替えユーザーの使用年数は、「平均6.6年」と、前回調査(6.1年)から上昇し、長期保有傾向が高まっている。特にスクーターの50cc以下でその傾向が顕著である。
  • 今回、スクーター50cc以下の平均使用年数(7.3年)は、これまで最長であったビジネス50cc以下(7.2年)を若干ではあるが上回り、ビジネス50cc以下では「10年以上」が減少する中で、スクーターは上昇している。
  • 直前使用車の処分方法は、使用年数の延長にともない、使用年数が7年を超えるスクーター、ビジネスの50cc以下では「廃車」が50%前後を占める。その他では「下取り」が最も高い。

(6)購入状況

  • 二輪車を購入する際に、他の乗り物を比較検討した人は21%と、前回調査の10%から大幅に増加している。比較検討した乗り物は、スクーターでは「電動アシスト自転車」、それ以外では「軽四輪車」が最も高い。
  • 購入車種の決定ポイントは、「維持費の安さ」「燃費のよさ」「他にない機能・便利さ」「利用価値から価格が手頃」が40%以上で上位。

(7)使用実態

  • 使用用途は、「通勤・通学」が48%で半数近くを占めている。時系列でみると、前回調査よりも「通勤・通学」が減少したものの、09年までとほぼ同様の傾向である。
  • 使用頻度は、「週5日以上」の多使用者が57%を占めており、1週間の平均使用日数は「4.4日」と07年以来横ばいである。月間走行距離の平均は「274km」で、前回調査(257km)を上回っている。

(8)今後の意向

  • 今後も二輪車に乗り続けたいという人は88%で、09年(92%)、前回(87%)と、減少、横ばい傾向であるが、ほぼ9割が継続して乗りたいと考えている。
  • 環境変化時の継続乗車意向は、「駐車スペースがなくなった時」「経済的に余裕がなくなった時」には二輪車の保有を中止するという人が4割以上みられ、またユーザーの高齢化傾向から「体力に自信がなくなった時」が35%で続く。

 

3.トピック調査結果

(1) 「三ない運動」の方向転換の認知と、若年層の市場回帰の意識把握

  1. 「三ない運動」方向転換の認知
    二輪車の「三ない運動」とは、高校生に対して「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」をスローガンとし、1970年代に愛知県で始まった運動が全国に広がっていったとされている。
    1980年代の二輪車の交通事故件数の増加や、マナーの悪い二輪車ユーザーによる騒音や危険走行等により「二輪車は危険なもの」といった否定的なイメージが広がり、1982年に全国高等学校PTA連合会は「オートバイの免許を取らせない」「オートバイに乗せない」「オートバイを買わせない」という3つの指針を掲げた「三ない運動」を推進することを決議した。
    しかし、その後16歳以上であれば法律で免許取得が認められていること、公共交通機関が未整備な地域では二輪車は有効な交通手段となること、禁止するよりは適正な指導を行った方が良いという意見も出され、1997年には全国高等学校PTA連合会においても「三ない運動」を「全国決議文」よりも効力の薄い「宣言文」へと転換するなど、方針が変更されてきた。さらに、2012年の全国高等学校PTA連合会大会では、「宣言文」は出されず、今後は自転車や歩行者での立場も含めたマナーアップ運動に衣替えすることが発表され、「三ない運動」は大きな方向転換を迎えることになった。

    この「三ない運動」方向転換の認知については、一般市民、中高生の親ともにほとんど認知されていない状況が明らかとなった。また、1980年代に本格化した「三ない運動」時に中高生であった40代、50代が中高生の親になっている現状から、「二輪車は危険な乗り物」という意識は特に運転経験の少ない女性層で顕著であり、方向転換には総論では賛成であるものの、自身の子どもが二輪車を運転することについては、特に母親では抵抗感は強い。
    また昨今の親子関係の変化から、「学校で禁止して欲しい」=学校で禁止されていれば「乗ってはダメと言える」という意識が特に母親では強い傾向があり、16歳以上であれば免許取得が可能であるという法的許可ではなく、「とにかく自分の子どもには乗ってほしくない」という意識も垣間見られる。
    自身が中高生であった時代に「二輪車は危険だから乗ってはいけない」という教育を受け、さらに二輪車との接点を持たないまま親になった世代の意識を変えていくことは、長期的な取り組みによってしか達成できないことを、強く意識した運動の展開が重要になる。

    中高生の状況についても、地域によって差はあるものの、親の時代よりもさらに「二輪車に乗ってはいけない」という規制が強まっている傾向がうかがえる。
    学校教育と二輪車の所有・運転の規制については過去から現在まで様々な議論がなされているが、明確な方向性は示されていない。ただ、中高生時代から二輪車に興味を持つ活動を続けていくことは、卒業後に二輪車に乗る意識を高めるために必須であり、実際に高校時代に二輪車の免許取得、利用をするかどうかは別として、現在中高生にとって距離のある「二輪車」をより親しみのある乗り物として認知してもらう活動は重要である。

  2. 若年層の市場回帰のために
    • 親の意識改革
      中高生が二輪車に興味を持ち、二輪車に乗るためには、親の理解が欠かせない。「危険な乗り物であるから乗ることには反対」という意識を変えさせるためには、一部のマナーが欠如した二輪車ユーザーではなく、二輪車を安全に、楽しく利用しているユーザーの情報を広め、「技術を身に付ければ、安全で楽しい乗り物である」というイメージを浸透させていくことが重要である。

    • 中高生の意識改革
      中高生自身についても、二輪車のみではなく、普通自動車を含めて、自身で免許を取り、運転したいという意向は、男女を問わず決して高いものではないことが今回の調査で明らかとなった。
      二輪車に対して高い興味を持つ層では、二輪車の利便性とともに、運転する楽しみ、爽快感を強く感じており、これらは二輪車の新規ユーザーが購入前の期待よりも実際に乗ってみた後の満足感の方が高い項目と重なる。
      今後中高生により二輪車への興味を高めてもらうためには、「実際に二輪車に乗ってみる」「運転してみる」「二輪車を楽しんでいる人たちとの接点を増やす」など、「二輪車は技術を身に付ければ、楽しい乗り物である」「技術を高めていけば、さらに楽しい乗り物になる」ことを地道にアピールしていく活動が重要になる。

    • 二輪免許を保有しながら、二輪を保有したことがない人への取組
      今回、将来有望層のひとつとして、「二輪車の免許を保有しながら、二輪車を保有したことがない人」の意識を把握した。
      自動車学校の「普通自動車免許取得時に同時に二輪免許を取得する場合の割引料金」などの取組、「今取得しておかないと、将来取得する時間がなくなる」等の理由から、その時点では乗る気持ちがあって免許を取得したものの、経済的な理由(購入費用)や積極的な購入理由が見つからなかったことから、なんとなく二輪車に乗らないまま過ごしている人がいることが分かった。
      これらの人々は「すぐに二輪車に乗れる人たち」であり、これから免許を取得して二輪車を購入する人よりも、二輪車を購入するハードルは低いと考えられる。
      また、「II.新規購入ユーザー調査」からもわかるように、一度二輪車に乗り始めると、継続して乗り続ける傾向は強く、免許取得からできる限り時間を経ない時期に「免許を持っているなら二輪車に乗ろう」といったキャンペーンを行うなど、「乗ろう」と思う動機付けを行っていくことが、65%の人が「何らかのきっかけがあれば二輪車に乗りたいと思っている」という調査結果からも、何らかの効果をもたらす可能性は高い。

(2)国際基準調和の認知と、期待、不安の把握

  1. 国際基準調和の認知
    国際基準調和の認知は、新規購入ユーザー調査では70%が「まったく知らない」と回答しており、決して高いものであるとは言えない。
    しかし、中古車保有、新車購入3年以上、その他大排気量層など、二輪車への興味が高いと考えられるユーザーでは「聞いたことがある」を含めると、40%以上が認知している。

  2. 国際基準調和への期待
    国際基準調和が進展することへの期待は、大排気量層、オンロード、オフロードで「選択肢が増える」「海外販売のモデルが購入可能」「海外メーカーのモデルが購入可能」など、日本市場での選択肢が増えることが大きい。
    中古車ユーザー、新規購入3年以上経過ユーザーでも同様の傾向が見られ、中古ユーザーでは「価格が下がる」ことへの期待も高い。
    国際基準調和が進展し、国内市場での選択肢が増えることは、国内市場を活性化させることが期待され、それらがひいては若年層等の将来有望層への購入動機につながるよう、この機会を最大限に活用していく取り組みが重要になる。

(3)消費税増税(2014年4月に8%、2015年10月に10%予定)を前にした駆け込み需要の把握

  1. 消費税増税の認知
    調査時期は2013年9月から10月であったが、新規購入ユーザー調査の75%、中古車保有の87%、新車購入3年以上の84%が詳細を認知していた。
    消費税増税の詳細情報を知らせる前に次期車の購入予定を聞いたところ、中古車保有の11%、新車購入3年以上の15%が2014年3月末(消費税5%)、2015年9月末まで(消費税8% それ以降は10%になる予定)に中古車保有の20%、新車購入3年以上の26%が買い替えを検討していることからも、増税前に買おうという意識は少なからず存在する。

  2. 駆け込み需要について
    ただし、新規購入ユーザー調査でも明らかになったように、スクーター50cc以下、ビジネス50cc以下では使用年数が7年を超え、オンロード126〜250ccで4.5年、オンロード251〜400ccで3.4年、オンロード401cc以上で4.1年であること、消費税増税に伴う行動について中古車保有、新車購入3年以上の半数前後が「影響を与えない」と回答しており、「購入・買い替えを早める」が20%前後であることを考えあわせると、上記の半数程度は「予定通りの買い替え」であり、駆け込み需要ではないことも推察される。
    また、今回の新規ユーザー調査では、「次回購入には影響を与えないが、今回の購入が増税前の購入である」という記載が見られたことにも留意すべきで、今後の市場動向を注意深く観察する必要がある。

 

以 上

2013年度 二輪車市場動向調査(PDF:2.08MB)


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