JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2002年09月01日

持続可能な発展、自動車産業による貢献

資料−2

世界自動車工業会(OICA):世界自動車産業の持続可能な発展及び貢献

世界の自動車産業は、環境保護、経済成長、社会的公正という3つの主要なコンセプトの中で、持続可能な発展に積極的に取り組んでいる。

自動車メーカーは、これまで以上に環境に優しい製品を市場に投入することを明瞭に約束している。そして、将来の製品改良に膨大な研究開発資源を投じることにより、また、新たな動力システムを開発する中で、存続していこうとしている。この成果は、全ての調査で大気の質が改善されていることが示されているように、道路交通に関係する環境問題のほとんどが解決の途上にあることで明瞭に示されている。たとえば、EUでこれまで公式に認められた進歩は、道路交通による都市での環境問題の発生が遅くとも2010年までになくなることを示している。このような特筆すべき成果は、車両と燃料の改善ならびに保有車両の更新によるものである。したがって、車両と燃料がすくなくとも幾つかの最低限の要件を満たすようにすれば、同様の成果が途上地域においても獲得できることになる。自動車産業は、現時点で入手可能な最高の技術よりも、効率性と価格において最も入手しやすい技術を普及させていくという考え方を強く支持する。

経済成長において自動車産業は、途上国で重要な役割を果たしている。世界各地の生産設備に対する膨大な投資は、安定した経済成長をもたらし、雇用を創出することで、途上国経済がこれまでになく拡大するグローバリゼーションの中で役割を果たすように、また、貿易のパートナーになるようにしている。これらの自動車生産施設は、サプライヤーと自動車販売網を引きつける磁石のように働いており、経済を螺旋的に活性化している。たとえば、南アフリカ共和国の経済における自動車産業は、27万人以上を直接に雇用し(生産、販売、整備)、GDPの5.6%を創出している。また、同国の製造業生産高のほぼ3分の1を占めている。

このようなマクロ経済面での自動車産業の貢献は、同時にミクロ経済面でもよい影響を与えており、安定した収入を得る個人ならびに家族を増加させている。

また、道路輸送と経済発展とには、双方が互いを必要としているという不可分の結びつきがあることに留意されたい。

社会的公正は、全従業員に対する機会均等というメーカーの社内政策およびその持続的改善により主に実現されている。メーカーは、巨額の費用を従業員の研修にかけているが、これは、複雑化の一途をたどる製品およびその生産工程に対応するためだけではない。技術者やエンジニアなどを養成する独自の教育システムとともに従業員研修を行うと、質の高い労働力が生み出されるである。

以上のことから、自動車産業が持続可能な発展に積極的に取り組んでいることは明らかである。また、同様に、まだ行わなければならないことが数多く残されていることも明らかである。であるからこそ、全ての関係者からの支援が強く求められるのである。自動車メーカーは、現在ならびに今後の投資戦略が持続できるような、開放市場のルールに基づく、経済的に健全な安定した政策を必要としている。

以 上