JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2011年04月07日

2010年度小型・軽トラック市場調査の概要

1.調査実施概要

 

ユーザー調査

事業所調査

調査地域

全国

東京周辺50キロ圏および大阪市・名古屋市各30キロ圏

調査対象

小型・軽トラック保有ユーザー

従業員5人以上の事業所

調査方法

訪問留置調査法

訪問留置調査法

有効回収数

1,575サンプル

689サンプル

調査実施期間

2010年8月16日〜9月27日

2010年8月16日〜9月27日

2.調査結果概要

<経営状況の実態と今後の見通し>
  〜景気や荷動きの改善が見込まれ、それに伴い業況感も徐々に上向き 〜

  • リーマンショック以降の世界的不況により、企業の経営状況はここ1〜2年悪化したが、運輸業以外では今後の景況感や経営状況が良くなると考える事業所が増加。【P11】
  • 運輸業での業況感はよくないが、荷主にあたる他業種では今後は物流量が改善すると考えている。【P14】

<保有・需要構造の変化>
  〜エコカー補助金等の政策効果で需要は持ち直すが、保有期間の長期化傾向は継続〜

  • 小型・軽トラックの保有台数は減少傾向が続いている。販売台数は、景気悪化により2009年に急減したが、エコカー減税や補助金の効果で2010年は持ち直した。【P15,P17】
  • 代替は同クラス・同車型代替中心という傾向に大きな変化はないが、2008年以降小型から軽へのダウンサイズが増加。また、保有期間長期化が需要を下押し。【P18】

<保有台数の変化とその背景>
  〜景気悪化・荷動きの低迷により稼働率が低下、輸送合理化の進展で保有減少〜
 1.保有状況の変化

  • 経済環境の悪化に伴う輸送量の減少により、事業所当り平均保有台数は2008年に比べ減少。特に、保有台数規模が大きく車関連費に負担感を感じていた事業所で保有台数減少が顕著。【P19,21】
  • 保有車種構成に大きな変化はないが、軽トラック・バンの割合が僅かながら増加する傾向も見られる。【P22】

 2.保有状況変化の背景

  • 保有台数と荷動きは密接に関係しており、総輸送量や荷物のカサの増減が台数増減の主な要因。リーマンショック後の荷動きの低迷により車稼働率は低下傾向。特に、運輸業、建設業、製造業で稼働率低下が顕著。建設業や製造業の小規模事業所では、荷動きへの柔軟な対応が難しいため稼働率低下に繋がったと考えられる。【P23,24】
  • 輸送合理化に対しては「これ以上合理化できない」との意識が高いが、稼働率向上や代替延期等、これまで以上に合理化を推進していく動きがみられる。【P26,27】
  • 輸送の外部委託化は、運輸業以外に留まらず貨物運送業でもこれまで進展、今後もその意向が続く。しかしながら、荷動きが低迷している中、輸送外部委託の縮小や自社での輸送増加を検討する事業所も見られる。【P29】

<使用実態と保有車の使い分け>
  〜車種毎の使用実態に大きな変化はないが、輸送合理化の中で軽比率上昇 〜

  • 各車種毎の用途、走行距離、運行形態、積載量など、使用実態に大きな変化はない。【P32,33,34,35】
  • 保有規模が大きく、複数車種を併有している事業所では、積荷による使い分けを実施。特に、自社で輸送する比率の高い建設業や運輸業で輸送合理化策の一つとして使い分けを実施している事業所が多い。【P36】

<今後の保有・購入意向>
  〜同じ車型への代替意向が高いが、複数車種を保有している事業所では輸送合理化による保有減・軽比率増加を見込んでいる〜
 1.次期買い替え意向車

  • 次期代替意向は、同車型・同クラスが多く、軽よりも小型、バンよりもトラックで歩留まり意向が高い。【P37】
  • 小型トラックでは積載量やエンジンパワー面でより大きな車への意向が、小型ボンバンでは経済性や使用環境面から小さな車へ変更したいとの意向が若干見られる。【P38】

 2.今後の保有車の変化見通し

  • 今後の保有台数は「減ると思う」の比率が、2008年に比べ大きく減少。車種構成の割合は「軽の割合が増える」が多い。【P39】
    特に、経営状況の悪化や輸送量の減少を予想し、複数車種併有事業所で保有減少や軽比率増加を見込む。【P39,40】

<環境に対する意識と対応>
  〜運輸業で環境問題への関心度は高まるが、経営状況悪化が環境対策推進に重荷。次世代環境商用車は好イメージも、航続距離・インフラ面が最大の懸念点〜
 1.環境問題への意識と対応

  • 運輸業では、環境問題への関心度は9割以上となり前回よりもさらに高まったが、運輸業以外では経営状況の悪化が影響したと見られ、環境対策経費を負担と考える事業所が増加。【P41】
  • 環境に関する考え方や行動では「耐久性があり長く乗れる車両を選ぶ」、「保有台数・使用回数を少なくする」が増えており、環境対策にも経済性や効率化の影響が見られる。【P42】

 2.次世代環境車に対する意識

  • EVやHVなどの次世代環境商用車に対し、「排出ガスがない・少ない」「社会評価・イメージが良い」「静粛性に優れる」が高い一方で、「車両価格が高い」が懸念点。
    さらに、EVでは航続距離やインフラ面が大きな懸念点。【P43,44】

<農家におけるトラック・バン>
  〜農家の減少傾向は継続するも規模拡大、小型トラック保有率増加の動き〜

  • 農家数は減少傾向にあるが、比較的若手の農家で専業化・大規模化・集約化の動きがみられる。【P45】
  • 軽トラック中心の保有構造は変わらないが、小型トラックの保有率が増加。【P47】

<高速道路利用実態と利用状況の変化>
  〜運輸業や卸売業、小型トラックを中心に、約3割が高速道路を月1回以上利用〜

  • 業務用のトラック・バンの約3割が「月1日以上」利用、1回当り走行距離「50km未満」が5割を越える。【P48】
  • 業種別には、卸売業や運輸業等では利用頻度が高く、小売・サービス業で低い。【P48】
  • 車種別では、軽に比べ小型の方が利用。軽トラックは頻度、距離ともにあまり利用していない。【P50,51】
  • 都市部では、短距離多頻度利用、地方部で割引制度実施後に「利用頻度が増えた」が多い。【P52】

以 上

2010年度小型・軽トラック市場動向調査(PDF:2.07MB)


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