JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2011年04月07日

2010年度普通トラック市場調査の概要

1.調査実施概要

 

ユーザー調査

調査地域

全国

調査対象

普通トラック保有事業所(軽・小型トラック併有事業所を含む)

調査方法

郵送法

サンプリング

運輸業

自家用(建設業、製造業、卸・小売業、
廃棄物処理業、その他)

企業・事業所リストより運輸業
該当企業としてランダムに抽出

普通トラック保有企業リストより抽出

有効回収数

858サンプル

444サンプル

調査実施期間

2010年8月下旬〜10月上旬

2.調査結果概要

<需要構造>
〜経営状況の悪化を背景に、新車の買い控え、保有台数の減少、使用年数の長期化が進む〜

  • 自販連の調べによる普通トラックの新車需要は、エコカー減税・補助金による需要喚起からか09年から10年にかけて回復傾向がみられるものの、07年から09年にかけては大幅 減。保有台数も2000年から漸減傾向が続く。【P8】
  • 本調査においても、運輸業の普通トラック平均保有台数(10.9台)は06年から減少傾向。【P11】
  • 前保有車の平均使用年数(10.6年)は、04年から長期化傾向が続く。【P24】

<経営状況と保有の増減>
〜経営状況は、わずかながら「好転」の兆し。ただし、今後の意向については依然厳しい見通し 〜

  • 2年前と比べた経営状況は、リーマンショックや燃料高騰と重なり景況感が悪化に転じた前回調査時(2008年8月〜9月)に比べると、今回は「悪化」が減り「好転」が増え、回復基調にある。特に運輸業で従業員100人以上の比較的規模の大きい事業所で「好転」の割合が高い。ただし「悪化」が全体の約6割を占め、依然として厳しい状況にある。【P34】
  • 保有台数の増減は、直近2年については「増えている」がほとんど変わらない一方で「減っている」が前回より増加(29%→33%)している。更に、5年後の予想でも「減ると思う」が約4割を占め、先行きは依然として厳しい。【P28】

<稼働状況>
〜通常積載率・実車率は横這い状況。荷扱い量が減少傾向の中、運輸業は各種輸送合理化策を実施〜

  • 運輸業の通常積載率は今回も前回と同率の86.3%と低水準が続く。実車率も6.6割で横這い。【P16,17】
  • 荷扱い量は、2年前と比べて約6割が減少しており、荷主の数も減少傾向。【P36,37】
  • 運送料金水準は、5年前と比べて100%未満が前回より増加し半数を占める。【P44】
  • トラック輸送上の問題点は、運輸業では「燃料費の値上がり」(69%)に次いで、「運賃の値上げが困難」(41%)や「運賃値下げ」(39%)が上位。【P42】
  • 運輸業者が、荷主や元請け業者から車両仕様の指示を受けるケースが年々増加。【P41】
  • 荷主からのコスト面の要求が厳しくなる中、運輸業者は、「買い替え延長による車両費削減」や「保有台数適正化による稼働率向上」、「大型化、小型化、両者の使い分けによる輸送効率の向上」、「帰り荷の確保など積載率の向上」、「回転率の向上」などの輸送合理化策に取り組んでいる。【P45】

<環境問題に関する意識>
〜CO2排出量削減や省燃費対策として「ドライバー教育」「エコドライブの推進」に加え、機器の導入も進む。「ポスト新長期排ガス規制」への対応は、これから本格化する見込み 〜

  • 「ポスト新長期排ガス規制」への対応・認知状況は、すでに適合車を購入した事業所は運輸業で23%。自家用は制度そのものの認知率が低く、約3分の1が、制度について「まったく知らない」と回答。影響については「新車への代替を控える/現在使用している車両をなるべく長く使い続ける」がトップ。【P49,50】
  • CO2排出量削減や省燃費のために、「ドライバー教育」「エコドライブの推進」などに取り組んでいる事業所が多い。運輸業では「デジタルタコグラフ装着」や「省燃費サポートシステムの導入」などの機器の導入も進んでいる。今後の対応策では「低燃費車両の導入」がトップ。【P51,52】
  • 積載時の最高速度は高速道路利用の多い運輸業において「70キロ台」の占める割合が年々増加しており、エコドライブの実践が進んでいる。【P18】
  • エコカー補助制度の利用状況は、規模の大きい事業所ほど活用されており、保有台数30台以上の事業所では44%が制度を利用して普通トラックを購入。【P53】

<安全対策>
〜運輸業の交通事故防止安全対策は「乗務前の酒気帯び確認」がトップ。アルコール検知器は「簡易タイプ」を中心に、導入率は約6割〜

  • 飲酒運転等に対する罰則強化を背景に、運輸業では、「乗務前の酒気帯び確認」の実施率が年々増加し、交通事故防止安全対策のトップにあがった。「ドライバーの健康管理」、「乗務前の対面点呼」も7割が実施。【P55】
  • 現在使用しているドライバーサポート機器は「バックアイカメラ」、「デジタルタコグラフ」、「ドライブレコーダー」、「定速走行車間距離制御装置」など。いずれも08年度に比べ導入が進む。今後の使用意向は「ドライブレコーダー」、「車間距離警報装置」、「追突被害軽減ブレーキ」などが多い。【P56】
  • 運輸業のアルコール検知器の導入率は65%で「簡易タイプ」が大半を占める。平成23年4月のアルコール検知器の使用義務付け後の導入意向は、「簡易タイプ」「モバイル携帯タイプ」などが比較的人気があるが、不明のところも多い。【P58】
  • トレーラー横転事故に対しては、トラクタ保有事業所の約9割が「危機感がある」と回答。【P59】

<高速道路利用>
〜運輸業の約2割で夜間の高速道路利用が増加。「配送時間の予測難化」、「ドライバーの負担増」などが懸念〜

  • 土日祝日の高速道路料金引き下げ後の利用方法の変化については、大半は「変わらない」と回答。運輸業では、「夜間の高速道路の利用」を「増やした」が2割、「一般道路の利用」を「増やした」は1割。【P47】
  • 料金改定により、「渋滞で配送時間が予測しづらくなる」「渋滞による長時間運転で、ドライバーの負担が増える」などが懸念されている。【P48】
  • ETCの導入が進み、高速道路利用のある運輸業の普通トラックでは約9割が装着。【P32】

以 上

2010年度 普通トラック市場動向調査(PDF:2.41MB)


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