JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2010年03月11日

国連「国際的な車両型式認証の相互承認制度」の創設に向けて
−日本自動車工業会が積極的に活動を展開−

 日本政府は、3月10日、スイス・ジュネーブで開催中の国連欧州経済委員会の第150回自動車基準調和世界フォーラム(UNECE/WP29:注1)において、将来の国連傘下における「国際的な車両型式認証の相互承認制度(IWVTA)(注2)」の創設に向けた作業を開始することを提案し、同日、参加国間で合意された。
 この提案は、国連の「車両等の型式認定相互承認協定」(58年協定:注3)に基づき、現在行なわれている装置や部品レベルの認証の相互承認を「車両全体」の認証の相互承認へと発展させることを目指すもので、今回の提案では今後1年間程度で、国際的な車両型式認証制度の基盤整備のための具体的なロードマップを作成することとなっている。

 社団法人日本自動車工業会(会長:青木哲)は、国際的な車両型式認証制度の創設は、国際的な自動車流通の円滑化や、モータリゼーションの進展が著しいアジア諸国等の制度の国際標準化に資することから、本制度の早期創設に向けて下記のような支援を積極的に行なうこととしている。

  1. 自動車基準認証国際化研究センター(JASIC:基準認証の国際化を官民が協力して支援する機構)を通じてこれまで協力活動を実施してきたが、今般の日本政府提案の国際的合意を受け、国土交通省との連携を更に密接に図りつつ、積極的な活動を展開することにした。
    具体的には、制度の対象車両、車両型式の定義、申請書類、基準など制度に必要な課題の選定とそれぞれに対する考え方や検討スケジュールをまとめる。
  2. 国際自動車工業会(OICA)とも連携し、本制度に対する自動車業界の国際的意見の集約と支援の実現を目指す 等。



注1) 自動車基準調和世界フォーラム(WP29 : World Forum for Harmonization of Vehicle Regulations)
自動車の安全、環境に係わる国際調和基準の策定、1958年協定(相互承認協定)等の管理などを行なっている国連欧州経済委員会(UN/ECE)内に設置されたフォーラム。

注2) 「国際的な車両型式認証の相互承認制度(IWVTA : International Whole Vehicle Type Approval)
現在の1958年協定には、装置及び部品を相互承認する制度はあるものの、車両そのものの認証を相互に承認する制度はない。IWVTAは、車両そのものの認証を相互に認証する制度の構築構想であり、この制度が創設されることにより、各国にて取得しなければならない認証が不要となる。

注3) 1958年協定
(正式名称:車両並びに車両への取付け又は車両における使用が可能な装置及び部品に係わる統一的な技術上の要件の採択並びにこれらの要件に基づいて行なわれる認定の相互承認のための条件に関する協定)
 自動車とその部品の安全性と環境レベルの向上や国際流通の円滑化を図るために、各国ごとに相違している自動車の安全性や環境の技術上の基準を世界的に調和させること及び相互承認の実施を目的として、昭和33年(1958年)、国連において採択された協定。
【加盟国】(日本を含む47カ国/1地域、平成22年2月現在)

問合せ先: (社)日本自動車工業会 技術統括部 TEL.03(5405)6125

 

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