JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2009年04月08日

2008年度小型・軽トラック市場調査の概要

1.調査実施概要

 

ユーザー調査

事業所調査

調査地域

全国

東京周辺50キロ圏および大阪市・
名古屋市各30キロ圏

調査対象

小型・軽トラック保有ユーザー

従業員5人以上の事業所

有効回収数

1,851サンプル

857サンプル

調査実施期間

2008年8月19日〜9月22日

2008年8月19日〜9月22日

2.調査結果概要

<保有・需要構造の変化>
  〜 横ばいで推移していた小型・軽トラックの需要台数が減少へ 〜

  • 小型・軽トラック・バンの保有台数は減少傾向で推移、横ばい状態であった需要台数も、2006年から2007年にかけて減少している。
  • 最近1年間のトラック・バンの購入率は全体では12%と2006年調査時の22%から減少しており、業種別にみると、運輸業は43%から30%、運輸業以外は21%から11%へ減少している。

<使用状況と輸送の実態>
  〜 物資輸送量は微減 コスト重視で輸送の外部委託化傾向 〜

  • 業務用車の使用状況をみると、2006年調査と比較した場合、行動半径では変化はないが、月間走行距離は減少している。通常の重量積載率は全体では「50%以下」が64%と2006年調査の65%とほぼ同レベルである。
  • 国土交通省「自動車輸送統計年報」によると、減少傾向にあった営業用小型トラック・バンの貨物輸送量(輸送トン数)は下げ止まった。ただし、最近の物資輸送量が「減少している」とする事業所の比率が微増している。一方で、保有車の稼動状況に大きな変化はない。
  • 輸送手段選択時の重視点は「コストが安い」「安全・確実に輸送できる」「早く輸送できる」の順に高く、2006年調査に比べ「コストが安い」重視の傾向は強まっている。また、物資輸送の外部委託や宅配便の利用が増加傾向にある。

<経営状況と保有への意向>
  〜 経営状況は悪化へ 今後は輸送量、保有台数とも減少見通し 〜

  • 経営状況に回復の兆しがみられた2006年調査から一転、「悪くなっている」とする事業所が増加、今後の見通しも「悪くなると思う」が45%を占める。特に、建設・設備工事業、食品・繊維類製造業、運輸業では、現状・今後ともに「悪い」とする事業所が多い。
  • 最近の物資輸送量は「減少」が2006年調査に比べ増加、今後の見通しでも「減少すると思う」が大幅に増加。特に運輸業では、今後の見通しで「減少」比率が56%に達した。
  • 最近5年間のトラック・バンの保有台数の増減については、大きな変化はないが、今後の見通しについては、運輸業、運輸業以外ともに保有台数は「減少すると思う」比率が増加、特に運輸業では47%に達している。

<運転手の採用状況>
  〜 運転手の高齢化は進展 今後の採用拡大はAT限定、パートの運転手 〜

  • 運転手不足の困窮度は全体では3%、運輸業では25%の事業所が「困っている」としている。運転手の高齢化は進んでおり、特に運輸業での高齢運転手は増加傾向にある。
  • 高齢運転手の「現在採用率」は29%で大きな変化はなし。女性運転手の「現在採用率」 は7%で、2006年調査からわずかに減少した。
  • 「今後の採用予定率」と「現在採用率」の関係から、今後の採用拡大の意向がある運転手は、AT限定免許運転手とパートタイム運転手。女性は運輸業での採用拡大意向が窺われる。高齢者の今後の採用は縮小傾向といえる。

<大気環境改善などに対する意識>
  〜 地球温暖化など環境改善に対する関心高まる 〜

  • 環境問題に対する考え方として、「アイドリングをやめる」「燃費効率の良い経済速度で走行」が当てはまる事業所は7割以上。また「CO2排出による地球温暖化」「NOxやPM排出による大気への影響」「自動車の材料・部品リサイクル」に対して「非常に関心がある」事業所が2006年調査に比べ増加。
  • 「自動車NOx・PM法」について、「すでに影響があった」「今後影響がある」の合計比率は38%で2006年調査を上回った。特にディーゼル車保有事業所の影響度が大きい。 「自動車NOx・PM法」への対応として、「規制に適合したディーゼル車に買い替え」 「規制に適合したガソリン車に買い替え」の比率はそれぞれ3割台で高い。運輸業では「規制に適合したディーゼル車に買い替え」の比率が68%。

<免許制度改正の影響>
  〜 新免許制度認知は高まる 運輸業で今後の中型免許採用拡大の兆し 〜

  • 昨年度、免許制度改正により新設された中型免許に関する2〜3.5トントラック保有事業所の認知率をみると、「内容も含め知っている」は27%と2006年調査から増加。特に運輸業では2006年調査より20ポイント上昇し、77%に達している。ただし、中型免許新設への「対応が必要だった」とする事業所は1%にすぎない。
  • 2〜3.5トントラック保有の運輸業では中型免許所持者採用率は43%で、事業所全体に比べ高い。
    今後の中型免許所持者採用意向についても、運輸業では70%と高く、中型免許所持者の採用の拡大の可能性が窺われる。

<農家におけるトラック・バンの動向>
  〜 農家ユーザーの高齢化進展 後継者不足も深刻化 〜

  • 農業トラック・バンユーザーは「60才以上」が57%を占めており、高齢者比率が高い。
  • 農業の継続については「規模を縮小して継続」が28%で2006年調査より増加。また、農業の後継者が「いない」は45%で2006年調査より増加している。
  • 今後のトラック・バン保有台数は「変わらない」が87%ながら、2006年調査より減少。同じ車種を使用し続ける意向は93%と依然高い。

<燃料価格高騰の影響>
  〜 燃料サーチャージ制を荷主から受け入れられた運輸業は17% 〜

  • 2008年の急激な燃料価格高騰時の対策として、保有・購入に関しては「車両の購入を従来より遅らせた」、車使用面では「安いガソリンスタンドで給油」「無駄なアイドリングをやめる」「燃費効率の良い経済速度で走行」が高い比率であった。
  • 「燃料サーチャージ制」に関しては、運輸業の8割強が認知。実際に導入を荷主に要請していた運輸業は21%、今後導入要請しようとしていた運輸業は24%であった。

<駐車違反取り締まり強化の影響>

  • 駐車違反取り締まり強化の影響は、全体では「すでに影響」26%、「今後影響」9%で、2006年調査時より減少、沈静化しつつあることが窺われる。

2008年度小型・軽トラック市場調査報告書(PDF:2.22MB)

以 上


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