JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2008年07月31日

高齢ドライバーのための交通安全教育プログラムについて

 社団法人日本自動車工業会(会長:青木 哲 以下自工会)は、高齢ドライバーが健康で安全な運転を続けていただくための交通安全教育プログラム「いきいき運転講座」を開発、主に高齢ドライバーの交通安全活動に取り組んでいる団体・組織向けへ案内し、申し込みがあったところにはプログラムを実施するための教材を8月以降無償で提供する。また、8月上旬には自工会ホームページ(www.jama.or.jp/)でも教材のダウンロードを可能にする予定。

写真 2007年の交通事故死者総数は、5,744人(前年比608人減、9.6%減)、このうち自動車乗車中の死者数は2,013人(前年比14.7%減)と減少傾向にある。しかし、高齢者(65歳以上)の死者数は、高齢ドライバーの増加等を背景に同死者数全体の約3割を占めるなど、高水準にある。
 自工会では活力ある長寿社会に向けて、高齢ドライバーの運転行動、安全意識、生活活性度(いきいき生活)を高め、アクティブな社会参加の実現に少しでも貢献することをねらいに2004年より本プログラムの開発に着手し、実験教育の中で効果を検証しながら教材を作成した。開発に当たっては、専門家で構成する高齢者交通安全教育推進委員会(*1)が参画し、脳科学や社会学的アプローチも取り入れた。
 このプログラムは、4つの「交通安全トレーニング」と「交通脳トレ」を組み合わせ、効果的に安全運転能力、安全意識と脳機能を高めることができる内容となっている。また、交通安全トレーニングの各科目には3つのレベルがあり、グループリーダーのもとで、ワークシートやディスカッションを中心に進行する形式で、参加者の希望や必要に応じて異なる効果を持つトレーニングを選択し、取り組める構成となっている。(*2)

<交通安全教育プログラム「いきいき運転講座」の主な特徴>

  1. 高齢ドライバーの方々がリーダーや班長になって、自分たちの力で講座を進行する。
  2. 話し合いを中心にして、いきいきと語り合い、学びあいながら、交通安全力を高める。
  3. 基本的な脳機能向上と交通の危険を察知するための脳機能向上を図る「交通脳トレ」の導入。
  4. 免許の無い方も一緒に助手席、自転車、歩行者の立場で参加できる。(一部トレーニングは除く)

「いきいき運転講座」(PDFファイル 0.77MB

<交通安全教育プログラム「いきいき運転講座」のトレーニング内容>

  1. 交通安全トレーニング
    [1]「いきいき運転・いきいき生活」・・・いきいき運転といきいき生活をテーマに話し合っていただき、知識を交換することで、安全行動と安全意識の向上を図る。
    [2]「危険予知トレーニング」・・・運転席から捉えた交通場面の写真を見ながら、どこに危険がひそんでいるか話し合い、運転に大切な危険予知力を高める。
    [3]「ヒヤリ体験を生かす」・・・参加者の居住地域の地図にヒヤリとした交通体験を書き込み、原因や対応を話し合い、地域の危険箇所やヒヤリを防ぐ方法を考える。
    [4]「自分の運転を振り返る」・・・ビデオで撮影した他のドライバーの運転行動を観察して、問題点を話し合うことで、自分の運転を改めて振り返り、運転能力、注意力を高める。
  2. 「交通脳トレ」・・・簡単な計算、音読、文字ひろい、間違い探しを実施することで、基本的な脳機能と交通の危険を察知するために使う脳の働きを高める。

<提供する教材一式>(*3)

  1. 「いきいき運転講座」― 進め方の手引きPDFファイル 1.76MB
    プログラムの狙い、特徴、効果等の概略と進め方のポイントをリーダーが理解するための手引き。
  2. 「いきいき運転講座」― リーダー用教材PDFファイル 6.84MB
    4つのテーマをそれぞれ3レベルに分け、興味に応じて高齢者のリーダー自らが講座の進行を行うためのマニュアル。
  3. 「交通脳トレ3ヶ月」PDFファイル 13.1MB
    交通脳トレを行うためのシート。1日1シート約10分週5日の60日分。(講座で使用する以外の自宅学習分含む)
  4. ビデオ「自分の運転を振り返る」(同内容のDVDも用意)
    「いきいき運転講座」の1つ「自分の運転を振り返る」で使う映像教材。
本教材に関するお問い合わせ、教材申し込み先: (株)コンセプション
受付時間: 午前11時〜午後6時(月曜〜金曜、祝日を除く)
電話 03−5770−7725   FAX 03−5770−7726

*1: 高齢者交通安全教育推進委員会・・・本プログラムを開発するために自工会が組織した社会学、交通心理学、脳科学などの専門家からなる委員会
<メンバー>
委員長:鈴木春男 自由学園最高学部長、千葉大学名誉教授
委 員:太田博雄   東北工業大学教授
岡村和子   警察庁科学警察研究所交通科学部主任研究官
川島隆太   東北大学教授
溝端光雄   東京都老人総合研究所社会参加・ヘルスプロモーション研究チーム研究副部長
吉岡耀子   (株)JAF MATE社ウェイズ編集部編集長
*2: 例えば交通安全トレーニング「いきいき運転・いきいき生活」のレベル1の講座のある日に2時間実施。別の日に「危険予知トレーニング」のレベル1の講座を2時間実施するというようにニーズと都合により選択的に進めることが可能。
*3: 提供する教材のうち1〜3の冊子は当会ホームページに掲載。4のビデオ(DVD)は当会が運営する自動車図書館(日本自動車会館1F)で閲覧・貸出しも行う。

以 上


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