JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2008年05月15日

知的財産委員会の新設について

(社)日本自動車工業会(以下、自工会)は、これまで知的財産権問題についての検討と対応を技術管理委員会傘下の知的財産部会において行ってきたが、知的財産を取り巻く環境の大きな変化を考慮し、2008年4月1日よりその組織を再編して『知的財産委員会』を立ち上げた。

【新設の背景】
日本政府は「知的財産立国の実現」に向けて、2002年に知的財産基本法を制定、翌年「知的財産戦略本部」を設置、「知的財産推進計画」を策定した。2007年5月には計画の見直しを行い「知的財産推進計画2007」を策定した。
企業活動においても、知的財産制度・運用の重要性は格段に高まっており、国内外の知的財産政策が、日本の自動車産業の国際競争力の維持・向上に大きな影響を与える時代となっている。
このような状況の中、我が国自動車産業が安全・環境技術で世界をリードし、持続可能な発展を維持するためには、世界に先駆けた技術開発を継続するとともに、技術開発から生まれた知的財産権の保護・活用を積極的に推進する必要がある。

【新設の目的】
これまで「知的財産部会」は、上記背景のもと会員各社の情報を共有、意見を発信、政策への提言を行ってきたものの、現状においては、より迅速性・機動性を持った実効ある活動が必要となって来ている。
今回、内外への影響力を高め、こうした実効ある活動を可能とするため、「知的財産部会」をより上位組織である「知的財産委員会」に移行・改組し、下記の活動を行うこととする。

  • 同委員会は、内外の立法・行政機関と情報共有・意見交換を行い、知的財産に関する意見発信を行うとともに、各種政策制定・改善の実現と支援を目指す。
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  • 同委員会は、傘下に「知的財産企画部会」と「知的財産専門部会」を設置し、中長期的課題を抽出し、政策への提言を行うとともに、他の産業界との連携を図りつつ、自らも対策を実行する。

【取り組みの主要課題】

  • 短期課題
    ・偽造部品対応(消費者啓発、取締当局支援、等)
    ・意匠模倣車対応(デザイン創作の重要性啓発、組合せ模倣防止、等)
  • 中長期課題
    ・偽造部品/模倣品の拡散防止(拡散防止条約の早期実現)
    ・知的財産制度の国際調和の促進*1
     (日米欧3極審査レベルの均質化、アジア統一特許への支援、あるべき意匠制度*2の研究 等)
    ・自動車産業の国際競争力に係る知的財産制度の研究
     (職務発明制度、パテントトロール対策、知的財産制度の標準化対応、技術移転契約、等)
    *1日米欧3極並びに日中韓を主体としたアジアの特許行政協力を主軸とし、世界特許を視野に入れた国際協力の促進
    *2社会・地域の創作性の健全な発展に資するとともに、オリジナルな特徴あるデザイン・コンセプトが確実に保護・承継され、ブランド構築に資する意匠制度

(ご参考)【知的財産委員会組織】
図

別添:知的財産 スタンスペーパー

以 上