JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2007年04月04日

2006年度(平成18年度)小型・軽トラック市場動向調査の概要

1.調査実施概要

ユーザー調査 事業所調査
調査地域 全国 東京周辺50キロ圏および大阪市・名古屋市各30キロ圏
調査対象 小型・軽トラックユーザー 従業員5人以上の事業所
有効回収数 1,826サンプル 858サンプル
調査実施期間 2006年8月17日〜9月21日 2006年8月17日〜9月27日

2.調査結果概要

<保有・需要構造の変化>
〜 小型・軽トラックの保有台数は引き続き減少傾向 〜

  • 小型・軽トラック・バンの需要台数をみると、2003年以降は横ばい状況が続き、2005年から2006年にかけては、小型トラック・バンはわずかに増加、軽トラック・バンは減少している。
  • 最近1年間のトラック・バンの購入率は全体では22%と2004年調査時の30%から減少しており、業種別にみると、運輸業は60%から43%、運輸業以外は28%から21%へ減少している。
    <運輸業の事業所数は調査対象業種の3.5%(平成16年事業所・企業統計調査:東京・愛知・大阪)>

<輸送合理化と輸送の実態>
〜 業務用途車の稼動は増加傾向で、月間走行距離も伸びを示す 〜

  • 業務用車の用途としては、「作業場・仕事場・現場への往復」が最も多く、「セールス・サービスなど営業の足」、「田畑への往復・農機具・作物の運搬」「一般家庭など最終消費者への配達・集荷」がこれに続いており、2004年の調査結果とほぼ同じ結果である。
  • 業務用車の使用状況をみると、2004年調査時に比べ月間走行距離は増加しており、行動半径も小型トラック系では「30kmを超える」が増加し42%となった。通常積載率は全体では「50%以下」が65%と2004年調査の63%とほぼ同レベルである。
  • 最近の物資輸送量が減少しているとする事業所の比率は減少し、保有車は「全体がほぼフル稼働」の比率がやや増加している。ただし、輸送トンキロ数の推移をみると、自動車貨物輸送は自家用より営業用、小型トラックより普通トラックの比率が増加している。
  • 輸送手段選択時の重視点は「安全・確実に輸送できる」「コストが安い」「早く輸送できる」の順に高く、2004年調査でみられた「安全・確実な輸送」重視の高まりは今回も継続し、輸送手段選択時の重視点のトップとなっている。

<経営状況と保有への意向>
〜 経営状況の見通しは好転するものの、保有台数は現状維持の意向 〜

  • 経営状況は「良くなっている」とする事業所が増加傾向を示し、今後の見通しにおいても「良くなると思う」が33%を占めている。金属機械類製造業、貨物以外運輸業では現状、今後の見通しともに「良い」とする事業所が多い。
  • 最近の物資輸送量は全体では「変わらない」が2004年調査に比べ増加し、今後の見通しでは「増加」の比率が増加傾向。ただし、運輸業では最近の物資輸送量は「増加」の比率が増加傾向にあるが、今後の見通しでは「増加」の割合が2004年調査に比べ減少している。
  • 最近5年間のトラック・バンの保有台数の増減については2004年調査に比べ「増加」がやや増加し、特に運輸業では「増加」の比率は27%と高い。今後の見通しにおいては運輸業、運輸業以外ともに保有台数は「変わらない」が2004年調査に比べ増加を示し、全体では79%となっている。

<運転手の採用状況>
〜 女性運転手を採用する事業所は若干増加、高齢運転手を採用する事業所は横ばい 〜

  • 運転手不足の困窮度は全体では5%とわずかであるが、運輸業では36%の事業所が「困っている」としており、2004年調査と比べ5ポイント増加している。
  • 高齢運転手の採用率は27%で、2004年調査と比較し変化はみられない。女性運転手の採用率は10%となっており、わずかではあるが2004年調査から増加している。
  • 採用理由としては、高齢運転手は「経験者を採用できる」、女性運転手には「細かいところまで気配りがきく」「職場の雰囲気が明るくなる」「仕事がていねい」の比率が高い。一方で、「荷物の積み下ろしなど荷役作業」は依然として高齢運転手、女性運転手採用に共通する最も大きな課題となっている。

<大気環境改善などに対する意識>
〜 NOx・PM法に対する意識は定着、クリーンエネルギー車に対する関心は依然高い 〜

  • 大気環境改善などに対する考え方では、「アイドリングをやめる」「燃費効率の良い経済速度で走る」にあてはまる事業所が7割以上を占める。また「CO2排出による地球温暖化」「NOxやPM排出による大気への影響」には8割の事業所が関心を示しており、大気環境改善などに対する意識はこれまでの調査結果同様高い。
  • トラック・バンのクリーンエネルギー車を「現在使用している」は2004年調査の26%から36%に増加しており、「今後使用したい」も含めた使用意向は7割を超えた。購入したいクリーンエネルギー車は「CO2排出の少ないトラック・バン」「燃料消費の少ないトラック・バン」が約6割を占め、「NOxやPM排出の少ないトラック・バン」が続く。

<免許制度改正の影響>
〜 中型免許制度の認知率は上がったが、対応を必要とする事業所数は少ない 〜

  • 中型免許制度新設に関する認知率は、2〜3.5トントラックを保有する事業所では「改定は知っているが、内容はわからない」が53%、「内容も含め、知っている」を合わせて67%となり、2004年調査の40%を大きく上回った。
  • 中型免許新設に対応が必要とする事業所は4%で、対応としては「中型免許取得を促進」 「中型免許取得者の雇用を促進」「中型免許に合うクラスの購入促進」が5割を超える。

<農家におけるトラック・バンの動向>
〜 農業継続の意向が高く、現状の車種を引き続き使用 〜

  • 第二種兼業農家数が減少しているため、総農家数は減少傾向にある。農業トラック・バンユーザーは「60才以上」が45%を占めており、高齢者比率が高くなっている。
  • 農業の継続については「今のまま変わらない」が2004年調査より増加し73%となり、拡大、縮小なども合わせて9割以上が継続の意思を示している。一方で、2004年調査時同様に農業の後継者が「いる」は3割弱に留まり、「考えられる者はいるが未定」が4割、「いない」が3割を占める。
  • 今後、各農家で保有するトラック・バン台数は「変わらない」が94%と2004年調査よりも増加。現在と同車種を継続して使用する意向も92%と高い。

<駐車違反取締強化の影響>
〜 影響を受けると答えた事業所は半数、内運輸業でその比率が高い 〜

  • 駐車違反取締強化の影響は全体では「すでに影響がある」37%、「今後影響がある」19%となっており、半数を超える事業所が影響を受けるとしている。特に、運輸業は「すでに」 「今後」合わせて影響があるとする事業所が69%と多い。

以 上