JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2007年04月04日

2006年度(平成18年度)乗用車市場動向調査の概要

1.調査実施概要

乗用車市場動向調査の
時系列データの分析
□分析対象   乗用車市場動向調査
□分析期間   93、95、97、99、01、03、05年 7回分
車に対する意識調査 □調査手法   フォーカスグループインタビュー調査
□調査対象   6グループ35人
□調査時期   2006年9月22日〜10月1日
新車需要の変化要因調査 □調査手法   自記式Web質問紙調査
□調査対象   全国18-69歳男女個人
          一般消費者(インターネットユーザー)
□回収数    3000s
□調査実施日 2006年10月20日〜25日

2.調査結果概要

(1) 国内新車需要の動向
順調な景気回復が続く中で、国内新車市場は横ばいの状況が続いている。近年は家計においても自動車購入費の減少がみられるようになった。車の需要の背後では、階層化、都市化、個人化など、経済、社会の構造変化、生活条件の変化が進んでいる。

(2) 90年代以降の車需要と意識の変化:乗用車市場動向調査の時系列データの分析(93年〜05年)
90年代を通して、ドライバーの高年齢化、走行距離の減少が進んでいる。このような状況下、「保有の長期化」、「中古化」、「非保有化」、「小型化(軽・コンパクト)」の4つの要因により、「登録乗用車を新車で買って5年内に買い替える」というこれまでの傾向が減少し、保有のスタイルが多様化した。

(3) 現在の車需要と意識:グループインタビュー調査
保有の長期化、非保有化の背景を定性調査からみると、長期保有者や非保有者は、経済的な制約のもとで、消費嗜好と生活の変化から車の購入を控えており、その背景には、車の魅力が以前ほど感じられなくなっていることや、車の時間(渋滞、長時間運転)・使用コスト(燃料費・駐車場費・税金などの維持費)・移動リスク(事故、駐車違反罰則金)の意識があった。

(4) 新車需要の変化要因:Web質問紙調査
順調な景気回復が続く中で新車需要が横ばいの状況にあるのは、単純な要因ではなく、複合的な要因によるものである。複合要因に対応するには、様々な対策の検討が必要であるが、魅力的な商品の開発によって購入を促進できる余地は大きい。

(5) 新車需要活性化の方向〜商品魅力づくりを焦点に:Web質問紙調査(フリーアンサー)
複合要因の中で、商品魅力に焦点をあてて考察すると、車は多くの愛用者に支えられてはいるものの、ここ数年は車に夢や楽しさを感じる生活者はやや減っている。他財をみると、生活者が夢や楽しさを感じる商品には、様々な魅力づくりの工夫が背景にあった。車においては、今後はさらにユーザーが期待する、多趣化(ユーザーが拘れる商品)、多層化(多様な生活への層別対応)、多面化(情報・サービスとの融合)に対応し、商品の魅力を増やし、需要活性化へとつなげていくことが求められていると言える。

以 上