JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

ニュースリリース- 2006年09月21日

プレスステートメント(仮訳)

欧州、日本、米国の大型車メーカーおよびエンジンメーカーは、UN/ECEが燃料品質問題に取り組む必要性と、現在行われているGTRに関する議論の成果の重要性とを強調した。

【ハノーバ(ドイツ)、2006年9月20日】
ハノーバで開催された第4回大型車グローバルミーティングにて、議長を務めたIVECO SpAのCEOパオロ・モンフェリーノ氏は、“大型商用車ならびにエンジン業界は、自社製品の環境性能の向上を実現してきており、さらなる前進のために我々は、高品質の燃料が世界的に入手できる必要があることを強調していくべきである”と述べた。さらに、“環境性能、安全、道路輸送の効率性についてはすでに大幅な改善を遂げているが、今後さらなる改善のためには業界、政府、自動車ユーザー間の継続的な協力が必要である”と付け加えた。

本日の会議には、自動車業界が直面している課題を議論するため、欧州、日本、米国の世界的な大型車メーカーおよびエンジンメーカーの首脳が集まった。過去には同様の会議が2003年、2004年、2005年にアムステルダム、東京、シカゴで其々開催されている。

本日の議論は、世界の大型車の排気量を低コストで減少させてきた努力をさらに10年間継続するために必要となる基準調和を実現する方法を主要な議題とし、またトラック輸送に関して世界的に起こるであろう課題を精査した。

燃料品質

排出ガス規制要件が厳しくなるにつれ、市場に出回る燃料品質と新たな排出処理技術の導入との間の結びつきは非常に重要なものとなっている。しかし、世界のほとんどの地域で、経済と物流が高度化するにつれ、エンジン技術より燃料化の革新が重要となってくる。
この緊密な関係は先進国では認識されているものの、発展途上国および移行経済諸国では一般的にそうではない。これは世界的な燃料規則の必要性、ならびに排出ガス規則の世界的調和の努力の継続を示している。昨年のシカゴでの第3回大型車グローバルミーティングですでに、この問題は国連での優先事項とすべきであり、将来の燃料規則は硫黄の限度値を含むべきであるということが同意されている。今年はUN/ECE/WP29議長のゴバーン氏が招かれ、この問題への取り組みや、「世界的な燃料規則」の可能性について情報を提供した。

WP29メンバー間で意見の相違はあるものの、市販燃料品質の問題は今のところWP29あるいは1958年協定および1998年協定で対応すべき問題ではないというのが大勢であるように思われる。従って、市販燃料品質の国連規則を実現するためには、何らかの構造的な変化が必要であると思われる。それには協定を改訂して自動車燃料品質を適用範囲に含めるなどの対応、そしてその結果として参加国の拡大や必要に応じて協議をする必要性などが考えられる。
自動車業界からUN/ECEに対する「燃料品質」問題への取り組みの公式要請は、議長からゴバーン氏に提出された。

世界技術規則(排出ガス試験法)

会議では、新たな低コストの技術を早急に導入および展開してエミッションを低減し、エネルギー効率を高め、将来の自動車の安全を促進するための手段として、国際的に調和した規則およびテスト手順の重要性を強調し、また基準調和活動に関わる関係者にこの進展を阻害するような国内要因を認めないよう勧告した。自動車メーカーおよびエンジンメーカーは、様々な問題について協力して政府規則との調和を促進して行くことを再確認した。

従って、出席者は自国政府に、エミッション認証テスト、車載診断、オフサイクルエミッション関連の完全に調和したGTRに可能な限り早期に同意し、採用するよう働きかけ、それをもって環境、消費者、大型車メーカーの利益に資することとする。

トラック輸送が今後直面する課題

世界の工業地域におけるトラックメーカーおよびトラック運転者が今後直面する主要な課題は環境性能および安全性能を継続的に向上し、エネルギー資源の入手を確保する必要性、およびトラック輸送業務の効率性と生産性を継続的に向上させる必要性であることが議論され、合意された

これらの課題に取り組むため、出席者は作業グループを設立することに同意し、作業グループにてCO2排出評価法の調和の実行性/可能性を調査し、安全技術に対する優遇措置の最も効果的な促進法を見出し、石油への依存を現実的に減らすことができる代替燃料の可能性を検討することとなった。

知的財産

模倣品が急速に氾濫し、効果的な対策が緊急に求められている現在、知的財産の尊重もまた商用車メーカーにとって重要な関心事となっている。特に発展途上国の政府機関はこの問題を優先政策課題として扱っておらず、国民の認識も未だ低いままである。

出席者は、第4回乗用車グローバルミーティングで合意された(i)自動車模倣品問題を優先課題として対処するよう政府への呼びかけを強化する、(ii)多くの低品質の模倣品は健康と安全に重大な影響を与える可能性を持っていると消費者にさらに認識させる、の2点は、知的財産権のより一層の保護と実施のための効果的な対策であることに同意した。また、商用車メーカーは2006年2月に設立された知的財産作業グループに加わることにも合意した。同作業部会は、体系的な活動と情報の共有を軸として、模倣品問題に対する世界的に実行可能な対策を検討する。

次回会議

2007年10月25日に、日本で第5回大型車グローバルミーティングを開催するため、JAMAを代表として日産ディーゼルCEOの仲村氏より招聘があった。

欧州自動車製造者協会(ACEA)、日本自動車工業会(JAMA)、トラック製造者協会(TMA)、エンジン製造者協会(EMA)のメンバーおよびスタッフも本会議に出席した。

連絡先:
ACEA シグリッド ブリーズ, コミュニケーション ディレクター ph: +32 2 738 73 45
EMA ケビン コクルダ, 副社長 ph: +1 312 827 8732
TMA ロバート クラーク, 社長 ph: +1 202 638 7825
JAMA 岩武 俊広、 参与 ph: +81 3 5405 6126