JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2012年09月20日

日本自動車工業会
豊田会長

平成25年度税制改正要望について

  • 自動車取得税や自動車重量税は道路特定財源でなくなっており、課税根拠を失っているだけでなく、二重課税でもあることから、引き続き両税の廃止をお願いしていく。
  • 日本の自動車産業は、「モデルチェンジ〜買替え」というサイクルの中で、時代にあった技術革新を追及し、それが裾野の広い産業構造の中で波及していく過程を経て国際的な競争に臨んでいく産業である。しかし、自動車ユーザーには、9種類8兆円もの税金が課せられており、これが米国の50倍になっていること自体が、そうしたサイクルが回っていない最大の原因だと思っている。
  • 若い人たちをはじめ、クルマを持ちたいという方に対しては保有コストを下げる必要があると認識しており、両税の廃止が実現するまで言い続けようと思っている。
  • 民自公の3党合意においても、両税は抜本的見直しを行い、消費税率8%への引上げ時までに結論を得るとしており、消費税引上げまでに両税は確実に廃止すべきである。
  • 本件は本年末がヤマ場になると思っている。「自動車税制改革フォーラム」および「自動車総連」が、労使一体となり、総力をあげて要望実現に向けて取り組む。10月29日には共同記者会見を予定している。

「お台場学園祭2012」について

  • 東京モーターショーの休催年イベントとして「お台場学園祭2012」を実施する。
  • 日本の製造業の「空洞化」の流れを食い止める最大の手段は、為替の影響を受けない「国内市場の活性化」を行うことである。特にクルマに関しては、「若者のクルマ離れ」と言われているが、メーカーが若い人に近づいて、対話することが必要であると考えており、「学園祭」はそうしたことの一環として行うイベントである。
  • 若者は将来を作っていく世代であり、そうした方に自動車に対して興味を持ってもらうことが日本の未来、日本の元気、日本の笑顔につながるものと考え、それが自動車業界ができる貢献であると思っている。

尖閣諸島を巡る中国問題について

  • 中国における被害状況については、一部現地販売店で、放火や破壊による被害が発生したが、幸い人的被害は報告されていない。
  • 日本の自動車メーカーは中国においても、良き企業市民となるべく、中国のパートナーと合弁で、生産・販売事業を行い、多くの中国の従業員に支えられて中国の企業としてやってきた。中国のお客様に喜んで頂けるクルマを提供するために、中国の道にあったクルマを開発し、中国の工場で、中国の従業員が生産をしてきた。これまでパートナーである多くの中国の友人と一緒に努力をして助け合い、一緒に成長もしてきたと思っている。
  • そうした中、今回、日系ブランドの販売店が被害を受けたということは本当に残念であり、両国の繁栄のためにも、一日も早い事態の収拾を願っている。
  • 今回生じた問題があっても、中国は中長期には大切な市場として強化していかなければならないという従来の認識に変化はない。共に冷静に、未来に向けて一歩でも半歩でも進んでいきたいと思っている。
  • 中国の9月の自動車販売には影響はあると思う。自動車等日系製品(の販売)がこれまでと同じようなサイクルで回るような状況を1日も早く取り戻して頂きたい。

政府の「原発ゼロ」方針について

  • 自工会は、電力ユーザーとして安全第一、安価で安定的な電力の供給を求めてきた。
  • 私たち現役世代の責任は、経済の成長のみならず、次の世代に対して美しい故郷を守っていくということもひとつの使命・役割ではないかと強く感じている。従って今、「安全神話」ではない本当の安全をいかに検証・実現していくかということが、求められており、また、その視野も地球規模で考えるべきなのではないか。

 

以上