JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2008年04月21日

(張会長)

任期2年を振り返って

  • この2年間「安全と環境への取り組み」、「自動車産業のグローバル化への対応」、「より快適で、楽しいクルマの利用環境への取り組み」の3点を事業の柱として、いろいろなことをやってきた。
  • 特に、2007年10月の東京モーターショーでは、私自身も初めてシンポジウムでユーザーの皆様と直接対話して、人々のクルマへの興味や関心が依然として高いことを実感できた。

道路特定財源について

  • 自動車関係諸税を現状のまま維持し、使途だけが一般財源化されることについては、自動車ユーザーにとっての税負担の公平性という観点から疑問を感じる。
    従来の、「受益と負担」という考え方を変えるのであれば、納税者の納得が得られるよう、自動車関係諸税も根本から見直すことが必要。
  • 我々としては、納税者が納得いくようなやり方をしてほしいという立場に徹していきたい。

部品調達について

  • 自動車メーカーは、これまで、部品メーカーや材料メーカーなどとともに、合理化に取組み、競争力向上を進めてきたが、昨今の原材料費高騰や、急激な為替変動、グローバル競争の激化などにより、今まで以上に、合理化に向けた取り組みが必要不可欠となっている。
  • こうした観点から、鉄鋼連盟に対して、お互いの生産性向上や合理化策など、競争力向上につながるための方向性・取り組みなど、我々ができることについて協力していくことを提案した。
  • 具体的には、鋼板の種類を削減するとか、発注の間隔とかロットだとか、いろいろあると思うが、自工会としては、鉄鋼連盟からの提案を受け、それを真摯に考慮して一所懸命議論していきたい。
  • 鉄鋼をはじめとしてアルミや銅などがどんどん値上がりしているが、簡単に自動車の値段に転嫁することは難しい。さらに低価格車の競争が激しくなっていくと、各社とも大変苦しい状況が続くと思うが、乗り切らなければならない。

東京モーターショーについて

  • 2009年に開催する、第41回東京モーターショーの会期を決定した(2009年10月23日〜11月8日)。今回のショーにおいても”世界最高の情報発信力のある東京モーターショー”を目指していきたい。
  • また、東京モーターショーの休催年となる今年は、「クルマの夢、楽しさ、素晴しさ」を体験していただくためのイベントを計画しているので、ご期待いただきたい。

中国市場について

  • 昨年の中国市場は約880万台に達しており、ものすごい勢いで市場が拡大している。今年は1,000万台を越えるのは間違いないと言われており、我々が過去に経験したことのないような急拡大な市場となっている。
  • 絶対量としては米国市場のほうが大きいし、いろいろな意味で米国は大事な市場だが、これだけ拡大している中国市場に対して相当重心を移して、しばらくは激しい競争が続くと思う。
  • 各社とも中国での競争が経営のポイントになると思われ、相当な勢いの中国シフトが行われる。

韓国 李明博(イミョンバク)大統領訪日について

  • 本日、韓国から来日中の李明博大統領とお会いしたが、企業のことをよく判っており、韓国 へ外国企業が投資しやすいような環境を作ろうと努力されている姿勢に感銘した。
  • 韓国は、一番近い国であり、出来るだけ協力して仲良くやっていきたい。