JAMA 一般社団法人日本自動車工業会 
 

会長会見  2004年07月21日

(小枝会長)

三菱従業員受け入れに関して

  • 三菱の再建計画が速やかに実行され、効果が出ることを大いに期待している。
  • 三菱岡崎工場の従業員をトヨタが受け入れ雇用が守られるのなら、大変結構なことだと思う。
  • 自工会が個別企業の再建に対し具体的支援活動を行うことは非常に難しい。個々のメーカーと三菱との間でクリアしていくことだと思う。

原油高について

  • 高値安定だと思うが、備蓄があるので上がった分が原材料やガソリンに実際に影響してくるにはタイムラグがある。
  • この傾向であれば影響は限定的ではないか。

国内自動車市場について

  • 国内景気が上向いていることは数字で出ているが、これが内需全体の拡大に寄与するにはまだタイムラグがある。
  • 自動車販売は4−6月は前年割れ、6月単月では3.1%減。商用車は昨年NOx・PM法や首都圏ディーゼル車規制による需要が膨らんだことの反動減。また販売ボリュームのある小型乗用車がモデルチェンジや新車投入が少なく前年割れ。
  • 秋以降は各社とも新車投入やモデルチェンジを計画しているので、全体需要の押し上げにより昨年末予測した590万台を達成したい。

自動車リサイクルについて

  • リサイクル料金が下がったのは、シュレッダーダストの処理を2グループに分け、それぞれがコスト削減の知恵出しをし、他の部分でも努力をしたから。
  • リサイクルの趣旨は、メーカーも努力をするがユーザーも実費を負担するということ。メーカー側は膨大な管理システムやその運用を負担し、処理する実際の経費はユーザーにご負担いただく。
  • 今後は、ユーザーのご負担は必要だというPRや情報開示をしていく。こういうことも、メーカー側の責任。

乗用車最高出力自主対応の廃止について

  • 6月30日付で、乗用車の最高出力の自主対応を廃止したことを国土交通省に報告した。

リコール問題について

  • 各社が6月末までに国交省に報告したリコール点検結果について、国交省から「リコール業務は概ね適切に実施されている」と公表されており、一般ユーザーのご理解はいただけるのではないかと思う。
  • 国交省の検討している再発防止策に、自工会として全面的に協力していく。
  • リコール判定委員会等があっても、メーカーがお客様の立場で早めに対策することに変わりはないので、判定委員会にかけているから対策が遅れるということはあり得ない。
  • リコールするかどうか難しい案件について、新制度が対策の推進力になることを期待したい。

電波利用料制度見直しについて

  • 総務省「電波有効利用政策研究会」がETC等免許不要局からも利用料を徴収すべきか検討するとしているが、電波利用料を徴収することになればITS普及促進の妨げや利用者のコスト負担につながる。
  • 自工会としては、慎重かつオープンな議論が必要だと思う。
  • パブリックコメントで我々の意見を申し上げていく。(名尾副会長)